いまはもうない場所

JINKO
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ツイッター以外のSNSでも、嫌なことや人間は別にいなくなったりしないので、落ち込んだりクサクサした時は、他人との接点が少ない場所で書き綴ることにする。

インターネット黎明期に近い頃の話だ。ニチアサの女児向けアニメがあの「明日のナージャ」だった頃の話。物語はクライマックスに向かっており、成長したナージャにまだ会っていない(と信じているだけで、知らずに会って言葉を交わした事がある)母コレットに、自分が娘ナージャであると偽り、孤児院育ちのただのみなしごでありながら、プレミンジャー公爵家の跡取りになろうと立ち回る偽令嬢、ローズマリー。

ナージャは、実は生きている母の形見の品としてピンクの舞踏会用ドレスを大事に持っていたが、ローズマリーがコレットに取り入り、確かナージャから盗むかしたのちに無惨にも引きちぎってしまう。

そのタイミングでか、ローズマリーをコレットが娘であると見誤ってしまったタイミングだったかは失念したが、どこかのサーバーにひっそり(?)と「ローズマリーを処刑台に連れて行く同盟」のようなシンプルなデザインのサイトが出来ていた。当時は「○○同盟」のような文化があり、管理人(代表)が同じものが好きな人を募り、その人のサイトもしくはメールアドレス(!)を会員リストとして掲載し、その同盟のバナー画像を各会員のホームページのトップ等に、同盟のリンク付きで貼ってもらうというものだ。同様に、「輪」を表す「リング」というものもあり、バナーやテキストリンクの周辺に左矢印や右矢印などのリンクを置き、それをクリックすると会員順で他の人のホムペに飛んだり、ランダムボタンでランダムに飛ばされたりする事ができる。

とまあ話が横道にそれただけでなく、そのサイトは数日かそこらですぐ閉鎖された。としか後に書く事がないのではなはだ恐縮である。きっとサーバー側が、自ら発見したか、サイトを見た人の働きかけで削除したか、サイト管理者が誹謗中傷や注意されたかの如何を問わず、自ら消したかであろう。

私がここに記さなければ、今後誰も知らないし、知ってても思い出さなかったかもしれない。書かなくても書いても何の益もないけれど、書いておきたかった。そんなお話です。

@jinko
人生に意味はないが、時間ならある。