アクセスカウンター等で有名な忍者ツールがサービス終了するという知らせを聞いた気がするが、ネットの忍者は他にも存在する。
前回のローズマリー処刑同盟サイトに続く「もうない(であろう)サイト」の話である。
それは、「ディズニー映画の『アトランティス』は日本のTVアニメ『ふしぎの海のナディア』の盗作であると主張するホームページ」である。
インターネットの黎明期の頃で、簡素なつくりのサイトであるが、ミラーサイトも存在していたらしい。映画アトランティスが本当にナディアの盗作なのかは、アトランティスを視聴した事がないのでなんとも言えないが、今「アトランティス DVD」で検索して出てきたAmazonの商品ページの星の数はなかなか多い。とはいえ、上映について当時宣伝されて以降、このディズニー映画がなにがしかの展開をしていたとか、TDLのアトラクションになったというような噂もあまり聞かない。私もディズニーには疎いので、そこはよくわからない。ディズニーも触れられたくない何かがあるんだろうか、とは思う。実のところはよく知らない。
簡素な「主張」サイトの話に戻るが、ページは白をバックにしており、青いテキストリンクも多かった印象で、本当にシンプルだった。
主張している内容は、アトランティスとナディアの酷似する点を挙げるなどのものだったが、私が書きたいのは、そこの管理人が、とにかく版権元に尻尾を掴まれたくないのか、消されても何度でも蘇る覚悟でやっているのかは知らないが、アニメ等で見る、忍者の瞬間移動的な動きであちこちのサーバーに移転していくことであった。移転先へのリンクのページも、見逃すとやがて消えてしまう。
私はすぐに見失っていたと思う。こんなに速いスパンで移転を繰り返していて、管理人の主張ははたして拡散されるのであろうか。しかし管理人でなくとも、あの主張をする人は今もたくさん存在しているのではないかと思う。
あのサイトも、役目を果たしたとして移転をやめて消失したかもしれないし、まだどこかのサーバーに忍んでいる可能性もある。Googleなどの検索に引っかかるとも思えないし、そんなに興味もない。
あの管理人も、私くらいの四十路か、五十路かもしれない。達者であろうか。