
率直に言うと、ムカデ競走が大ッ嫌いである。私の場合は、中学生の時の体育祭及びその練習でやらされた。
アスリートやその卵にやらせるぶんにはいいと思うが、発達段階の素人を集めて、チームワークを育てるんだか団結力を育むんだか知らないが、得意な方面がバラバラ、もしくは得意方面が決まりつつあるだけに、体格も異なるガキ共の足を繋いで拘束して、あまつさえ同じペースを強いて走らせて競うのである。どう考えても正気の沙汰ではない。転べば擦りむくし、引っ張られてザリザリと土や砂がつく。
今では学校の競技から無くなっていることをただただ願うばかりである。
私はムカデ競走をやらされるのが嫌で、一時期学校に行けなくなった。登校拒否というか、不登校である。担任の先生(おっさん)が心配して訪問してきたこともある。
ムカデの事で胃の調子が悪く、まだ精神科にかかっていない頃なので内科だとは思うが、確かどこかの総合病院に父と行った。経緯や症状を話してマーロックス内服液をもらったわけだが、診察のとき、女医だったか女性看護師だか忘れたが、
「じゃあ、練習しましょう」と言い、並び順は忘れたが、女医(看護師)、父、私(最後列)はびょんびょん伸びる備品の包帯だかサポーターのようなもので全員の足を繋ぎ、なぜか診察室でムカデの競走もとい真似事をすることとなった。はっきり言って条件も違うしみんな手加減しまくりだし、意味がなかったと思う。でも女医(看護師?)が、わざわざ勤務時間を割いて備品まで使って、ほんの気休めにしかならない事を試みてくれたのが、今思い出しても、ちょっとだけうれしくなる。
それに、あの頃は缶ポカリを飲むのもちょっとマイブームで、マーロックスの他にポカリスエットを飲むのもちょっとした癒しだった。
そんな、脳の片隅の思い出です。