キャンペーン中につき「らーめん発見伝」が無料なので読んでいた。
ネットでは「ラーメンハゲ」と呼ばれるラーメン界のカリスマ、芹沢さんの発言がよく切り抜きされているが、私もこのキャラクターが好きだ。リアリストで皮肉屋だが、実は人一倍ラーメンに対する愛情があって、仕事に対しても真摯な人間だ。
この漫画の中でも特に好きなのが、芹沢と藤本の関係性である。藤本とはこの漫画の主人公であり、サラリーマンの傍らラーメンの屋台もやっているラーメン馬鹿だ。普段はへらへらして仕事に対するモチベーションも高いとはいえない人間だが、ラーメンに対する愛情は嘘偽りなく、ラーメン作りの腕前も相当なものである。
対する芹沢は冷徹で、才能のない奴を歯牙にもかけていない。だが、藤本に対してだけは違う。熱くなるし、藤本のやり方を真っ向から否定する。そしてそれは恐らく、藤本に対する嫌悪の感情ではない。心の底では藤本の才能を認めていて、ラーメンに対して同じ熱い思いを持つからこそ、闘争心を剥き出しにするのだ。
私はこういう「プライドの高い冷静なキャラクターが、”才能がある”と認めた相手にだけ見せる熱い顔」が好きなんだろうな。芹沢と藤本はライバル関係ではあるが、きっと誰よりもお互いの事を理解しているのであろう。腐女子的にいえば「尊い関係性」というやつである。