会議とか公演とか、あるいは話してる最中にパソコン打つのが許されている、そういう時には可能な限り逐語で文字起こししています。話って意外と聞いていないもので、勝手な解釈が含まれていたりその人の話したいことの核からややズレていたりすることがある。
そして最も恐ろしいのが、そのことに気づきにくいこと。話の末、紆余曲折合ってやっと勘違いやすれ違いに気づくということは日常会話レベルでは結構ありますね。
逐語で文字起こしと言っても、あとで読み直すことなんてしません。めんどくさいし。けれど打ち込んでいると真剣に話を聞くモードに入るというか、注意が話の些細な部分に向けられて、結果として一言一句正確に拾ってくれる。語尾のちょっとした違いや使用する語彙の違い、ちょっとした感情の表出、巧妙に隠した恨み言など。例えを挙げるなら「そういうのも好きですね」と「そういうのが好きですね」の違い。そうすると話の核が見えやすくなり、勘違いやすれ違いもほとんど起こらなくなる。
そしてこうすることのメリットは、その人の思い入れがどこにあるのかがかなり明確に見えるようになってくること。どういう論理で話しているのか、何のためにそんなことをしているのか、どういう視座でその物事を見ているのか、何を好み何を嫌悪しているのか。話の内容を超えて、その人がどういう人なのか、つまりは「その人らしさ」が浮き彫りになってくる。
さらに「その人らしさ」は常に自分との差異によって描かれる。「あ、そんなところを見ていたんだ」「あ、そういう論理を使うんだ」など。新たな思考の軸を他人から盗む。結構楽しいんだなこれが。
簡単な話、私は人の話を聞かなすぎってことです。自分の冷笑オタク的性格はそういうところから強化されているんだと思いましたまる
逐語だとむかつくような話もなんとなく論理が理解できてくるような感じがおもろいよね。
デメリットは指が疲れること。1時間半くらいで休憩が欲しくなってくる。
以上