書籍『いちばんやさしいアロマンティックやアセクシュアルのこと』の内容を含む
LGBTQ+の中でも知名度が低いと感じるアセクシュアルとアロマンティック
最近ではアニメやドラマでそれを自認しているキャラクターが登場してるおかげで知られるようになってきたようだが、他のセクシュアルに比べて知名度は低いと常々感じる。多様性の時代といっても恋愛・性愛観が固定化されている世の中なのでそんな社会が我々当事者にとって疎外感を感じさせる。
知名度の低いAro/Aceを幅広く知ってもらうための入門書『いちばんやさしいアロマンティックやアセクシュアルのこと』が4月末に発刊された。
Aro/Aceの専門書は読んだことがなく当事者の自分にとって読んでおきたい本だったので拝読しました。
読んだ結果、当事者にとって救いになる内容だった。
はじめて知る方向けの内容から当事者またはそうだと感じる方向けの内容、周りに当事者がいた場合の内容、当事者の声と多方面から解説されている。どれも当事者の自分にとって納得できる内容だった。
Ace/Aroは人口の1%前後というのは前から知ってはいたが、かなり少ないと感じる。昔からAce/Aroを自認してきてそれがあたりまえで生きていたので全国で数値化されるとかなり少ないと驚愕する。これはデータに過ぎないのでカムしてない人を含めたらもっといると思うが。
本の中でいろんな偏見オバケが紹介されていた。Aro/Ace当事者にとって憑き物のオバケたち。
👻「好きな人教えてよ。ノリ悪いなぁ」
👻「〇歳なのに未経験なんてやばい」
👻「恋愛できないからって強がってるんでしょ」
当事者にとって邪魔で仕方ないし除霊して消えてほしい。紹介されていた中で個人的に言われて嫌に感じないオバケがいてそれが、だから何オバケ。👻「わざわざ言わなくていいじゃん。そんな人いっぱいいる。」これは個人的に言われて嫌な気はしない。驚かれたり動揺されるより「だから何?」って言われた方が気が楽だ。 てか偏見する人をオバケで例えるとかわいく思えてきた。ヘイターもオバケだと思えば楽になれるかな。
自分は生物学を主に学んできたので、生物は異性の配偶者を作り子孫を残すものという生物の定義が定着されてしまっている。生物の中には主にオスがメスに気に入ってもらうために求愛行動をとるものがいる。人間で例えるとモテるために身を着飾ったりアプローチするのが当てはまるのだろうが自分はモテたくないから性別は移行したし、引かれるような行動をして距離をとったり真逆のことをしてきたので大きく生物の定義としては外れている。また社会が恋愛・性愛観が固定化してるので、恋愛のゴールは性行為とか恋愛しないと生物的におかしいとか風潮がある。そんな概念が離れなくて周りと比べてしまいがちな自分は疎外感を感じて落ち込んでしまう。
この本を読んでどんなセクシュアルだとしてもおかしくないと勇気をもらえたと思います。疎外感を感じさせてしまうのは社会の問題であり、自分自身に問題があると感じさせる環境がわるいと記されていた。その通りだと思う。全人類認知して配慮しろまではいかないけど、いろんなセクシュアルが身近にいるということを多くの人に認知される世の中になってほしいと願う。この本が多くの人に手に取って読んでもらってAce/Aroの知名度が少しでも増えればいいと思いまふた。