2024.6.17 - 2024.6.23 『チャレンジャーズ』『黄色い家』

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今週はのんびりと過ごした。梅雨入りしたし、しばらくは家で過ごす時間が増えるだろう。ランニングは5回走って31km。もう少しペースを上げたいところだ。雨の中走るのは好きなのでここからペースを上げていこう。

先週からEURO2024が始まっている。開幕が広島旅行と被ったために、いまいち乗り切れていない。タイミングが合ったら観るくらいの感じだが、観たゲームはどれも面白い。

パンデミックで1年ズレた3年前の大会は2,3ゲームを除いて全て観るくらいかぶりついていたしW杯もそのように観ていたのだが、その頃と比べると、自分の熱はだいぶおさまってしまったのだなと感じる。サッカーを観ることは好きだし、毎週のように応援するチームのゲームを観戦するのは自分の生き甲斐と言っても良いと思う。7,8年くらい前からサッカーの戦術を理解する・構造を理解するということにハマって(サッカー界隈がそういうトレンドだったのだと思う)、とにかくたくさんのゲームを観ることを夢中でやっていたのだけれど、その終わりのなさや時間とお金の消費を促し続ける構造に少しくたびれてしまった。

飽きっぽくはないと思うが、ある程度ハマった後に一歩引くのは、サッカーに限らず今まで自分がやってきた色々なことに当てはまるので、そういう性格なのだろう。EUROはトーナメントに入ったらしっかり観るくらいになるだろうか。

『チャレンジャーズ』

ルカ・グァダニーノ監督作品。昨年日本公開の『ボーンズ アンド オール』は自分の中で2023年トップ3に入る作品だったし『君の名前で僕を呼んで』も大好きな映画だ。ルカ・グァダニーノがスポーツ物というのは意外だったけれど、この映画も挙げた2作と同じように人間関係の機微を深く描いた良作だった。それでいて、スポーツ映画としてのエキサイティングかつセクシーな演出やカメラワークも素晴らしかった。

ラケット競技、幼馴染でライバル、競技から離れられない人間、四つ打ちの音楽と、観ていて『ピンポン』を彷彿させられた。終盤のラリーのシーンは「これは、ピンポンだな」と思いながら観ていて、帰宅してから『ピンポン』を観返した。思い返しながら比べてみるとだいぶ違かったが、性質は近いと思う。

劇中で役者が着ていた胸に「I TOLD YA」とプリントが入っているTシャツがちょっと欲しいと思ったたのだが、ロエベのもので4万円くらいして、ちょっと欲しいくらいの気持ちで買うようなものではなかった。売り切れてたし。Tシャツを調べて知ったのだが、衣装はジョナサン・アンダーソンが担当していた。ほとんどがトレーニングウェアのような衣装だったので、それもまた意外だった。

『黄色い家』川上未映子

昨年出版されたノワール小説。オーディオブックで聴いた。川上未映子の小説は芥川賞受賞作の『乳と卵』だけ読んだことがある。

『黄色い家』はパンデミックが始まった当初の様子から始まり、40歳くらいの主人公の花がある事件の記事を読んだことをきっかけに自身が15歳ごろから20歳すぎまで身の回りに起きた出来事を回想する。それは、90年代半ばあたりから2000年代初頭あたりまでの出来事で、暴対法以降にヤクザ者が生きづらくなっていった様子や、駆け込むようにいずれ出来なくなる類いの"シノギ"を行っていて混沌としていた様子が細かい説明と共に分かりやすく描かれていた。花はその世界に巻き込まれる。

花は、ネグレクトと言ってよい母親の元で育ち、貧しさ・生きづらさの中で出会った黄美子さんを慕い、共に幸福な日々を過ごせるように努力をするも悉く理不尽な壁に突き当たり不幸に見舞われ、幸せになるための手段として犯罪へと流れていく。今の時代だと"親ガチャ"とか言い表されるが、貧しさが負の連鎖を招いていく様は読んで(聴いて)いて、どうしようもないやるせなさに見舞われる。「貧すれば鈍する」という言葉が当てはまる花の人生なのだが、生まれた時から貧しく、体験格差といった要因もあり、どうやっても鈍することになってしまう人はどうすればよいのだろう。

自分としては"ノワール"と括られる物語は、例えばタランティーノのギャング映画みたいな、自分の生活では触れることがない闇、または裏の社会を覗き見るような作品という感覚なのだが、『黄色い家』で描かれている世界は、それほど遠いものには感じられず、ノワール的な怖さよりも何か一つ違ってしまえば自分自身も似たような状況になりえた事として現実感の強い怖さを感じた。

ずっしりと重たいものが胸に残る物語だ。

先に書いた通りオーディオブックで聴いたのだが、朗読が素晴らしかった。5,6人いる主要人物の声色の使い分けがとても上手で、途中からは声色を聞くだけでどの人物が話しているのかすぐに分かるようになった。基本的にランニングしながらとか、家事をしながらとかの「ながら聴き」をしていたのだけれど、最後の2時間ほどはスマートフォンを側において耳を傾けてじっくりと聴いた。とても良い体験だった。これからもオーディオブックは使っていきたいと思う。

次週

  • 『あんのこと』を観ようと思っているのだが、『黄色い家』にだいぶやられてしまっていて、続けざまにこのタイプの物語に触れることに少し躊躇している

  • ミッドウィーク開催のゲームがある。今のところ現地観戦はやめておくつもり

  • いい加減、個人開発作業を波に乗せたい