2024.5.6 - 2024.5.12 『水深ゼロメートルから』『感情の哲学入門講義』

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今週は6回走って計32.5km。友人と秋にトレイルランにチャレンジしようと話していて、それに向けて少し走る強度を上げていこうと思っている。

ランニングシューズがくたびれてきたので買い換えた。同じものを白と黒で2足持っていて交互に履いているのだが、それぞれ750kmを超えたところだった。「ほぼ毎日履くものだから高くて良いものを買おうか」という考えと「毎日履いてすぐに履き潰してしまうのだから安いものでいいのではないか」という考えで揺れて結局後者にしてしまうのを繰り返している。一足4000円くらいのエントリーモデルを履き続けているのだが、膝が痛くなったりもしていないし、まあいいか。高価でないものでも新しいシューズは気持ちが上がる。

日常的にランニングをするようになって丸2年が経った。その前もたまに走る時期があったりはしたが、2年以上続いているのは学生時代にサッカーをやっていた頃以来だ。

継続して運動をするようになったのにはきっかけがある。2年前の5月、応援しているチームのアウェイゲームがあり、現地に観戦に行った。その試合は相手チームに3点リードされたのちにその3点差を追いつくという中々見られない激しい展開だった。応援するチームは、このまま逆転までいけるのではないかという勢いの中で、最後の最後に相手チームに突き放されてしまい4-3で敗戦してしまった。

その最後の勝ち越されてしまったシーンの後で、口には出さないものの選手たちに対して「やり切れよ......」と思ってしまった。翌日、天気がよく気温も高かったアウェイの地を散歩をしている最中に疲れて息が上がってしまった。その時に「この程度で疲れている自分が、アスリートに対して"やりきれ"とか"走れ"と思っているのはすごくかっこ悪いことだな」という考えに至り、一人で勝手に恥ずかしくなった。

それを誰かに話したわけではないのだけれど、その時の恥ずかしさは自分にとっては強烈だった。そんな言葉をアスリートに対して投げたいのであればこの身体でいるのはやめろよと思い、その翌日からまずは毎日5kmを歩くことから運動を始めた。それ以来、運動習慣が続いている。

日々走るようになってからは、試合中のしんどそうな選手の様子を見て「しんどいよね、頑張れ」と思うようになり、「やり切れよ」とか「走れよ」と思うことはなくなった。そもそも、自分には体験したことがない水準で競技を行っているプロアスリートである選手たちに何かを要求するような気持ちを持つことが間違っているのだけれど、寄り添うような心持ちを常に保てるようになったのはよいことだ。今は走ること自体が楽しいので、今後も続けていきたいと思う。できれば、高齢者になっても走っていられるといいな。

その2年前の5月から2年後の今週、トップディビジョンに昇格したチームは、あの日とは別のアウェイの地で格上の相手との対戦があった。奇しくも2年前と同じく3-0と先行され、そして3-3に追いつく試合をやってのけた。今回は突き放されることはなかった。そこには因果関係はないのに、ファンだからどうしても自分とチームをリンクさせて考えてしまうのだけれど、チームが成長していることと自分が少しだけでも進歩していることが重なっているように思えて嬉しくなった。

バンド 揺れるは幽霊

たまたま知ったのだがとても良い。岡山の結成間もないバンドらしくリリースはまだない。少し、きのこ帝国を彷彿とさせる女性ボーカルとオルタナ/シューゲイザー。東京でライブをやることがあったら聴きにいきたい。

映画『水深ゼロメートルから』

高校演劇を映画化した作品。同じく高校演劇を映画化された『アルプススタンドのはしの方』に続く作品として宣伝されている。監督は山下敦弘。

山下監督の作品が好きで、特に『天然コケッコー』『リンダリンダリンダ』『もらとりあむタマ子』がお気に入り。山下監督はその世代の女性ならでは魅力を引き出すのがとても上手な監督だと思う。

この作品もその力が発揮されていて、10代後半の何となく不満やモヤモヤとしたものを抱えているが、それを人に晒し出すのは恥ずかしい・それが何なのかを言葉にできない様子を上手く映し出しているなと感じた。俳優陣はさとうほなみ以外は見たことがなかったのだが、みんな良い演技をしていたなと思う。

モヤモヤが解決されるわけではないけれど解放されていった後のラストシーンの絵がとても良かった。

『感情の哲学入門講義』源河亨

先週読み終えた『私たちはいつから「孤独」になったのか』で感情史に興味を持ったのだが、そもそも感情ってなんだろう?という疑問が湧いてきたので感情に関する本を読んでみることにして手に取った。

感情は、自分を取り巻く状況が持つ価値に対する反応であり、感情は価値を捉える思考と価値に対処するための身体的な準備の組み合わせとして理解できる。ということに基づいて、さまざまな状況における感情の原因を説いていく内容だった。

感情が価値に対する反応である、という説明は今まで感覚としては分かっていたことなのだが、はっきりと言葉にして認識したことはなかったように思う。

このことを認識することで、今週の短い期間の中でも自分の感情に対する認識が変わってきたことを感じた。たとえば、ネット上で見たものに対して「これは何か嫌だな」と感じた時に、自分が嫌だと感じたのはどういった価値に対するものなのだろうかと考えてみる。そうすると割とすんなりと、それは自分が得られなかった・自分が得るはずだった価値であることに考えが行き着くのだが、その価値は本当に自分が求めるべきものなのだろうかと考えると、ほぼ全てがそうでないということが続いた。すると、初めに感じた嫌だなという感情は錯覚やいつの間にか身についてしまった習慣のようなものだと気づける。

映画やドラマを観た際にも「このキャラクターはいま怒りの感情を出しているが、このキャラクターにとっての怒りの元となる損なわれた価値は何だろう」といった考えを巡らせながら観ていると、製作者の意図をより解像度高く受け取れるような気がする。

知的好奇心を満たす意味で感情史に興味を持ったのだけれど、感情について学ぶのは日々の生活を豊かにすることへとつながりそうだ。関連して何冊か読みたい本を見つけたので、引き続き感情に関する読書をしていこうと思う。

次週以降

ここのタイトルに「次週」と書いてしまうと少し追われるような気分になってしまうので次週以降にやりたいこと。

  • 民藝展とアフロ民藝

  • 21_21 DESIGN SIGHTの企画展『未来のかけら: 科学とデザインの実験室』も気になる

  • 茨城県近代美術館でやっている石岡瑛子の展示は見ておきたい

  • 『人間の境界』『ありふれた教室』『ミッシング』『碁盤斬り』『正義の行方』『不死身ラヴァーズ』『湖の女たち』は観たい

  • 新しく作りたいものがいくつかあるので、デザインを作るコードをたくさん書く