W2 2024.1.8 - 1.14 『ファースト・カウ』『ショーイング・アップ』『笑いのカイブツ』

今週はだいぶ冷え込んで、冬を感じる週だった。しばらくはこの寒さが続くのだろう。

成人の日の月曜日には今年最初のサッカー観戦でWEリーグを観てきた。女子サッカーもインテンシティ高く中盤の入れ替わりが激しいゲームが増えてきて、5人交代制になってからの潮流がここにも来ているのだと感じる。

気温は低いけれど、スタンドには西陽があたってぽかぽかと暖かかった。

昨年、スタジアムでの写真撮影にチルトレンズを使ってみたらそれが楽しくて、その流れでオールドレンズで撮ることを始めた。この写真は70年代のレンズ。レンズフレアがすごい。

望遠レンズで瞬間瞬間を切り取るというのがスポーツ写真のメジャーなやり方ではあるけれど、最近は自分の好きな場所の雰囲気を写すということに興味を持っている。でも、いろんな人が望遠レンズを使って撮ったフィールド上の瞬間を捉えた写真を見るのはとても好きだ。

今週は5回のランニングで30km走った。これぐらいがちょうど良いペースかもしれない。

今週は粗食にしようと思いながらも外食で焼き鳥・中華・洋食と行ってしまった。自宅での食事は初めて作ってみた鯖大根がかなり美味しかった。

映画

『ファースト・カウ』

西部開拓時代が始まる少し前のオレゴンでの話。最初のシーンの振りが終始効いていて、ケリー・ライカートらしいゆったりとした穏やかなストーリー展開の中に常に緊張感が残されていて見応えがあった。

本編とは関係ないが、パンフレットの監督インタビューでケリー・ライカートが彼女の作品群の中における本作の位置付けに関する質問に対して、以前メンターに言われた言葉「十分な仕事をすれば、人はあなたを相手にせざるを得なくなる」を用いて誰かがこれらの映画を比較してくれるでしょうと答えていたのが格好良かった。

『ショーイング・アップ』

ケリー・ライカート×ミシェル・ウィリアムズということで絶対に観たいと思っていたのだけれど日本での公開予定は全く出てこなくて諦めていたのだが、【A24の知られざる映画たち】という企画で公開された。

ケリー・ライカート作品の、普段主人公として取り上げらる事がなさそうな市井の人々をゆったりと映し出し、日々の可笑しさや小さな幸福の尊さを浮かび上がらせるところがとても好きだ。それと動物の扱い方が好き。

『笑いのカイブツ』

伝説のハガキ職人ツチヤタカユキの半生記。本人著の原作の映画化。原作は未読

オードリーのラジオで土屋さんの名前がよく出ていた頃、その番組をよく聴いていた。当時笑いながら聴いていた出来事も映像になると緊迫感のある差し迫った事実として感じられて、笑えるものではなかった。

この映画を15年前に観ていたらきっと感化されていただろう。今の感覚ではそうはなれなかった。

映画作品としては良い出来だと思った。

『中動態の世界: 意志と責任の考古学』國分功一郎

自分には一週間で読み切れる内容ではなく半分くらいまで読んだところ。

能動と受動だけの区別では行為を判断する上で不便であり、事象を網羅できない。中動態とはその名称から能動態と受動態の間のものかのように捉えてしまいそうだが、そうではなくインド＝ヨーロッパ語にあった能動態に対立する概念であり、受動態は中動態の中に含まれる。

人にとって何かを行うという事は自身の内にある力だけでなく環境があって初めて可能となる。それを全て能動的と呼ぶには分け方が大雑把で不便である。

まだ途中までだし、この本で結論を得られるわけではなさそうだがこの先を読んでいくのが楽しみ。

ランニングしながら聞いていたポッドキャストで「人生は生まれで決まるのか？」というテーマで話されていて、この本の内容に通ずるものを感じた。

たまたま出会ったTeen Suicideの曲をずっと聴いていた。すごいバンド名だけど、かなり好み。

それと『ファースト・カウ』のサントラ