「絶望の先にある希望というファシズム」

jun_ikematsu
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これは2050年に2035年を振り返った「新日本風土記2035」に書かれた電子書物を、ある若者がみつけて、書き起こしたものである。

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2035年、日本は極限の試練に立ち向かっていた。10年にわたり繰り返すN半島の大地震、富士山の猛噴火、突如連鎖が始まった伊豆沖の巨大な噴火。地球の怒りが激しく荒ぶり、伊豆半島と房総半島の間は溶岩に埋まり、東京湾は溶岩の海に変わった。米・第7艦隊は死活問題に直面した。

火山灰の嵐が吹き荒れ、飛行機は飛べなくなり、携帯電話は地殻変動と火山灰の静電気で沈黙に包まれた。経済は破綻し、政治は混迷に陥り、官僚は自己中心な不正の蔓延によって国民の信頼をなくしてしまう。

株価は暴落し経済は大混乱になる。映画シン・ゴジラそのものになってしまった。

しかし、この極限の状況に立ち向かう者たちがいた。若者たちは廃村を自治特区として、新たな日本の舞台を創り出すという覚悟を秘めていた。火山灰の嵐の中で手を取り合い、未知の地平線に向かって進む。

自治特区では再生可能エネルギーの光が燦然と輝き、廃墟となった土地に農業の息吹が戻り、斬新な新しいアイデア、技術が革新の炎を灯す。彼らは災害対策の巧妙な展開で逆境を打破し、新たな未来を紡ぎ始めた。

東京では政府と官僚が絡み合い、支援が届かぬ混乱が続く中、若者たちの勇姿が伝説となりつつあった。焦土に咲くレジェンドたちが、その情熱と決断で未来の花を咲かせる瞬間が迫っている。それは新しい通信技術によって世界に希望の光りを届ける。

『絶望の先にある希望というファシズム』は、極限状況で巻き起こる勇敢な挑戦、奇跡の逆転、そして未知の地平線に向かって突き進むエキサイティングな冒険を描いた近未来・震災SF。ただし、それだけでは終わらなかった。人間とは残酷な生き物だから。

こんなSF小説を書こうと思って、あらすじを書いてみた。

@jun_ikematsu
文章を書くヒト・文筆家