絵を描くこと、省みること

k19so
·

絵を描くのが好きで昔からずっと描いている。独学でありつつクロッキーやデッサンが死ぬほど下手という現実を中学生の頃に突きつけられて以来真面目に勉強をしたくない精神があるので、仕事で絵を描いてる人には到底敵わないものの、絵を描かない人からしたら十分描けてるんじゃないかなとは思う。

自分の絵が好きだ。“評価されたい”という悪心は常に潜んでいるし、定期的に「わたしの絵なんて誰も見ていない」というメンヘラ畜生になってしまうが、自分が好きならいいじゃないかと思える時は積極的に褒めるようにしている。メンタルの波が案外大きいので、凹む時はどうしようもないので凹んだ時に見返すように『褒め』を明文化して残しておきたい。

まず、自分の絵の“等身”が好きだ。最近の流行りは比較的等身高めというイメージがあるが、顔がやや大きめで7等身あるかないかくらいのバランスが1番好きで、背がメチャメチャ高いとか低いとかでない限りは7等身前後という理想値になるようにしている。手や足の大きさも顔に合わせているので過度に大きいや小さいがなく、比較的バランスが良い絵を描けるところが好きだ。たまにロマンを求めて脚をやや長く描いてしまうことは大目に見て欲しい。

次に、“表情”が好きだ。ほんのり翳りのある表情からそのキャラクターのバックボーンが描けるようになりたいなと思い続けて絵を描いていたら、意外とできているらしい。これは人にそう言って貰えたことが嬉しかったのでその記録でもある。明るく溌剌とした顔を描くのには向いていない分、含みのあるような、苦痛を飲み下して諦めたような顔が好きなのでそういうものが自分で描けるのは、たいそう嬉しい。

最後に、最近の“塗り”が好きだ。よい質感のブラシを手に入れたのもあり、最近はずっと厚塗りをしている。厚塗りと言っても無から有を生成する域には達していないので、ラフに色を置いて影をつけてから統合して塗り込み…みたいな感じだが、こってりしっとりしたタッチで描けるのが楽しくてたまらない。昨今の流行りとは逆走するものかもしれないが、どこかにこういう塗りが好きな人が居てくれたら届いたらいいな、なんて思いながらより良い塗りを追求している。これがとても楽しい。

結局、自分が絵を描くのは自分の絵が好きだからなんだと思うし、絵を描くことそのものも好きだからだと思う。わたしは人を褒めることが下手で人のことを褒められないため、そんな奴が褒めを欲しがるのはやはり烏滸がましい気がする。褒めは対価制度ではないという大前提はあれど、人の絵になんも言わん無名の絵描きが評価を貰うのは難しいことだと思う。

だから、一旦は自分で自分を褒めながら描きたいものを描き続けようと思った。その過程でたまに褒められたら嬉しいなと思うようにして、「褒められる」を目的にせず「生み出す」を目的にするだけできっと生きやすくなるんじゃないだろうか。

そういうわけで、今後もたくさん絵を描いていこう。自分自身のために。

@k19so
Internet Oyster Baby