今週のゲーム~5月11日

ka1234
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サガエメラルドビヨンド/Steam

サガシリーズのことをどう書いたものかと頭を悩ませていたら先週が終わっていた…。一週間ぶりです。サガのはなしだけです今回。まだ4周目途中なので浅い感想ですがこのゲームいつ終わるかわからないので…。

サガエメラルドビヨンド、遊んでる人みんなが「自分は好きだけど大体の人は楽しめないだろうな…」みたいな後方腕組をして遊ぶタイプのゲームで私ももれなくその後方腕組人間のひとり。色んな人に一度手に取ってみてほしいけれど、体験版を試してみて!以上に言えることもなく、魅力を伝えることも難しく…。発売から2週間ほど経った5月の今でアップデートによる改善の意思は多少見えるものの2024年のゲームとは思えない劣悪なUIなのもあり、いや今の時代にこんなの遊べないよもっと遊びやすいゲームを遊びますよと言われてしまえばそうですね…としか言えない。でも、他で代えがたい体験ができてすごく面白いですこのゲーム。

私はアンリミテッドサガが好きです。どんなところが好きかと言えば凝ったアニメーションのグラフィックや素敵な音楽は勿論ですが、一番はひとりの人物を多角的に見ることができる部分。主人公Aだとさらっと仲間になるBというキャラクターが他の主人公の話だと意外と重要人物だったりとか、別の主人公で遊んでみると違う一面を見られたり、どういうキャラなのか理解が深まるところがすごく好きです。エメラルドビヨンドにはこの多角的に見る物語やキャラクターという要素がたくさんあり、とにかくその部分をお腹いっぱい食べさせようという作りをしています。

このゲームを遊んで自分がサガで一番重要視していたのはバトルでもなく広い世界でもなくこの部分だったのかもなという気づきがありました。バトル、たしかに面白いに越したことはないんですが、ことサガにおいてはプレイヤーの感情を揺さぶる演出のひとつでしかないと思うんですよね。サガ2秘宝伝説がそこまで珍しいところもない(…モンスターの肉はかなり変かも)比較的普通のコマンドバトルRPGだったのになぜファイナルファンタジーよりもバトルが熱く感じられて印象に残るゲームなのかと言えば、ボスの形態変化でアツい音楽がかかる演出が多くのプレイヤーの心を揺さぶったからだと思うのです。ロマサガ2やサガフロのバトルが面白いと感じられるのも閃きシステムがプレイヤーの想定外のドラマを生むからですが、これも強敵ほど閃きやすいという設定があるのでやはりゲーム側の演出です。

風来のシレンで通常攻撃の命中率が100%ではないように、ドラマを起こす遊びを持たせつつプレイヤーにストレスを与えすぎない確率というものが存在していて、河津秋敏さんのゲームはその辺の数字の感覚がとても鋭いと感じます。ローグライクゲームだと上振れで勝ったなんてよく言いますがサガの戦闘は上振れで勝った…とはあまり思わないんですよね。運負けしたって感じることはたまにあるかな。でもそれもストレスに感じるほどではない。事前の準備や敵への対策をしっかりした上で強敵に挑むと、気持ち良くなる演出をしてくれる。サガエメにもそういう「とても気持ちのいい瞬間」があるので癖になります。

将来的にゲームの研究が進んだらアンサガの高速ナブラやサガフロの跳弾、DSCみたいにこれ振ってたら勝てるみたいな状態になるのかもしれませんが陣とサポートアビリティ、装備品の組み合わせなどによる戦闘前の戦略の構築と、戦闘中のプレイングの良し悪しが視覚的にわかりやすくなったことで従来のシリーズよりデッキ構築ゲームのような味わいが増した気がします。この未知の中で試行錯誤する感じは(攻略を縛らない限りは)おそらく今しか楽しめないので自分はフルプライスでこのゲームを買ったぶんの体験はできているなと思ってます。

今回、戦闘中の回復手段がほぼ存在しないので一回の戦闘時間がサガスカ程は長くならないところも気に入っているし、再挑戦で仲間のLPが枯渇するところまで負けが嵩むようなら戦術的に間違っているか育成が足りていないので準備段階からやり直すべきだと理解できるところもゲームのデザインが上手だなあと舌を巻いてしまう。心情的には仲間のLPが尽きるところまで戦うとこれだけ時間をかけたのに勝てないのか!時間無駄にした!という苦しさも従来のサガシリーズのように当然ありますが大きく巻き戻されることはあまりなくて、大体強敵の近くには稼ぎ用の敵も用意されてるので諦めさえしなければ詰むこともなさそう。

デッキ構築ゲームぽさを盛り込みつつもRPGなので育成は必要です。サガはいつも効率の良い稼ぎを見つけるゲームの側面も持っているので、今回もそんな感じで使える戦術の手札を増やすために稼ぐ場面はどうしても出てきて、そのうち戦闘に飽きてしまわないかなあという不安もあるけれど4周目の今のところは問題なさそう。いろいろな種族の成長の仕方の違いを楽しめています。というか今回ゲーム内の区切りが結構しっかりしてるので戦闘に疲れてきたな~ってタイミングで今日はこの辺にしておいて明日にするか…と勝手に手が止まるんですよね。1プレイが1~3時間で収まって毎日遊べてしまう。食事や入浴の休憩入れてまた再開なんてこともありますが。

ここまで結構褒めましたが欠点を数えだしたらきりがないです。

先に言ったようにUIが劣悪。色々な画面で左上と右下の対角線に情報が表示されて視線を動かすことが多い点がストレス。旧作のように戦闘中のコマンドが武器ごとにタブ分けされないので同じ武器種を2つ装備すると自分が今どっちの武器で殴ろうとしてるのかわかりにくかったり、技の並び替えができなかったり…。

モンスターが吸収しているものの確認をするのにメニュー画面で解き放つを押さないといけなかったりも不便だし、吸収したモンスターがどれくらいステータス補正をくれているのかの情報も確認しにくいです。戦闘終了毎に確認したいトレードはメニュー階層が深すぎるし、陣形を組む際のサポートアビリティの確認も面倒。テキストパートで既読スキップ的な機能がなかったり移動や戦闘の倍速がないのもこの先長く遊んでいく上で不安になる。

紙芝居なのは別にいいけどアートに魅力がなさすぎるだろ!と言いたくなる場面もあれば、アンサガの七大脅威を攻略してるみたいな面倒なマップにラスダンでなくとも普通に遭遇するのでちょっと嫌気が差してくることもあります。人間キャラクターの技モーションはすごくかっこいいけどモンスターのものを作りこむところまで人手や資金が足りなかったのかモンスター技の演出がとてもテンポが悪く見栄えもしないところも気になります。

それでも私はもうこのゲームのことが大好きだし、この先も多分嫌いになることはなさそうです。サガフロやミンサガを思い起こさせるような素晴らしい音楽の数々と、魅力的なキャラクターたち。大体ヘンなのにたまに心を射止めてくるテキストとギリギリを演出してくれるバトル…。サガエメラルドビヨンドにはそれがありました。

自分の探究心がどこまで保つのか、このゲームがどこまで応えてくれるのかはまだわかりませんが気長に付き合っていこうと思います。

@ka1234
ゲームをします。毎週土〜月のどこかで1回更新目標。 @kazesuzu.bsky.social/ @[email protected]