今週のゲーム~1月27日①

ka1234
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今週は長くなってしまいそうなので2つに分けることにしました。

1つ目はアドベンチャーゲーム編。アナザーコードリコレクションと春ゆきてレトロチカの2本。どちらもネタバレがあります。

///ネタバレがあります///

アナザーコードリコレクション/Switch

2つの記憶編クリア。決して悪いリメイクではなかったけど、思い入れの強い人間からすると浅いリメイクだったかな…というのが正直な感想。船長からキャンディが貰えなくなってしまったところから始まり、ジェシカに眼鏡を返すのもカットシーンの一環になり…Dの手に触れるのもカットシーンに。オリジナル版の「触れる推理小説」というキャッチコピーのことを今でもよく覚えているだけに、失われてしまった「触れる」の部分が、このタイトルにおいてどんな意味を持っていたのかを今一度考える機会になったのは喜ぶべきか悲しむべきか…。当時は考えもしなかったけれど、触れたのは謎解きの仕掛けだけではなく登場人物の心もだったのでは…と今は思う。登場人物にキャンディを渡したり、タッチペンで手に触れるだけの些細なプレイヤーの介入でも、このタイトルにとっては重要な演出だった。

話の構成もちょっと変わっている。多分3D化に伴い屋敷の設計がちゃんとして間取りに嘘をつけなくなったからだと思うがリチャードとビルの登場タイミングや台詞回しが異なっているのが気になった。初登場時からビルが怪しかったり、フラニーとビルの繋がりが明確になっていたり全体としてサスペンスの面より家族愛ドラマ部分にフォーカスを当てたリメイクのように感じた。

アナザーコードリコレクションは「触れる推理小説」ではなくなってしまったけれど、物を調べた時の台詞の追加などでアシュレイやディーの可愛さをより楽しめるようにはなっているので、原作と合わせて…という視点なら受け入れられそうではある。でもオリジナル版で味がした部分がかなり削られてるので、寂しさの方が勝るかもしれない。

引き続き記憶の扉編も遊んでいきます。ライアンのデザインが大幅に変わっている気がするが一体何が…。

///ネタバレがあります///

春ゆきてレトロチカ/Steam

最終章、証拠リストを眺めながら「火」がキーだなというのを理解した上で進められたのでそれまでの章と比べると自分で解いた感強めで遊べてよかった。その後スタッフロールを眺めつつ、まあまあいいゲームだったな~と耽りながらエピローグに進んだらとんでもないことに…。全体通して◯◯が意味ありげな仕草を度々していたのは気になっていたんですが、ここに来てようやく、このゲームの基本ルールは「映像から違和感を探させてその違和感の理由を推理させる遊び」だったのだという理解ができた。

エピローグ部分まで含めるとかなり楽しめたと言えるので遊んでよかったゲームではあるのですが色々と新しいことに挑戦しているゲームなので、何をさせたいのか?プレイヤーは何をすればいいのか?という部分の導入がもう少し親切だったなら傑作になれてただろうな~と惜しい気持ち。プレイ中、本当にこのゲームはどう遊んだらいいんだろうと迷い続けていた。一ヶ月あけてしまうくらいには…。全部間違えていても総当りで先に進めるくらい優しい作りではあるので遊び方が分からなくても遊べてしまうんですよね。そこが逆によくなかったというか、ゲームの作りが下手…みたいな印象になってしまうのかも。

仮説の組み立てパート、ゲーマー的には全部埋めたくなってしまうけれど埋めると逆に惑わされて進行的には不利だったり、チャプター後の謎のスコア機能だったり…そんなゲーム部分の収まりの悪さがどうも気になった。個人的にはこの手のゲームにスコア表示は不要と思っているが、スコア機能をつけるのであれば少ない仮説で見えたまでたどり着けるとスコアが上がるとかのほうが自然だったような気がする。メタ推理防止のためか最終章の仮説組み立ては9割くらい埋めないと進行できない?ようになってるのがまた意地が悪い。メタ推理を良しとせず、推理ゲームとして成り立つように頑張っている箇所が逆に空回りしているように思った。

推理ゲームとして成り立つことを頑張ろうとするが故に空回ってそうな部分はもうひとつある。2024年1月時点、Steam実績だと6章クリアの「赤い椿」実績の獲得率が45.3%に対して終章クリア実績の「春ゆきてレトロチカ」は37.6%。10%まではいかないまでも、6章を終えていればほぼ無条件で見ることができる終章にたどり着かずにゲームを終えてしまっている人がかなりの数いることがわかる。本当にもったいない。ここまでいい話を作り、役者の方の素晴らしい演技をそこに乗せたのだから6章までを見届けた全てのプレイヤーにこれを見せるべきで、こうなってしまっている原因がなにかといえば言葉を選ばず言うならゲーム側の偽スタッフロールの見せ方が下手だったからだろう。(タイトル画面に戻った時、私もゲームを終了しかけた。)

不老が作中に本当に実在するかしないかの明言も欲しかったけどこれは見逃しているだけで、もしかするとどこかにあったかもしれない。

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傑作のADVゲームは、話が面白いというだけでは出てこないものなんだなあと感じた週でした。

@ka1234
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