就活-bad end-

萩原糸保
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最終面接から1週間が経った。届いたメールに書かれていたものは、求めていたものではなく、無慈悲にも私の就活が終わったことを告げていた。

この1ヶ月、求人を見つけてから企業を調べ、書類を書き、面接対策をし多くの時間を費やしてきた。それが全て無に帰した。

「勝たないとその努力は証明できない」好きな漫画が言っていた。

「1チーム以外全員漏れなく負けるんだ。タイミングが違うだけ大した事じゃない」好きな漫画が言っていた。

最終面接で落ちようが、書類審査で落ちようが全部一緒だ。

1ヶ月、ずっと採用してくれと願っていた。私なんかが選ばれるはずがないと思いながら、それでも採用されるのではという気持ちもあった。結果はご覧の通りであるのだけれど。

ここに骨を埋める。そんな気持ちで挑んでいたため納得ができず、もしかしたら送り間違いをしているのでは?と思うくらい。既に終わったのにも関わらず奇跡を願っている。

ネガティブな感情をひたすらAIに相談し、「奇跡を願っている」と伝えたら「奇跡を信じたいのなら、信じればいい。しかし、前に進むことも大切だ」と返された。ど正論だ。

インターネットの検索曰く、結果が変わることなんてほぼ無いらしい。受験でもあるまい、繰上げ合格は採用に存在しない。

今回採用された人は、どんな人なんだろう。モデルみたいな人で年上で、焼けた肌がよく似合う洋楽好きな人だったらいいな。勝ち目ないし。

もうどうしようもない。また、求人が出た時に応募してみるのもいいかもしれない。それまでに、自分を成長させよう。だから、今できるのは落ちてしまったが行きたかった会社だ。好きな会社だ。その会社の幸せを願うことにしよう。

忙しい中、私に時間を割いてくれてありがとうございました。何者でもない、なんの魅力もない私と話してくれてありがとうございました。不採用になったということは、会社にとって意味のない時間になってしまった。でも、私は行きたい会社と少しでも関われてプラスの経験になりました。

時間は有限である。その有限である時間を私のために使ってくれてありがとう。話していて、楽しかった。まあでも、こんなことを書いてはいるが今だって本音は、

採用されたかった

だけなんだけれど。