TL;DR
非エンジニアがLLMを使い倒して日本語指示のみで10年来の悲願だったカレンダー登録Webサービスを作れたよ、という2025年時点の事例。
URL: https://calmatic.taktechs.org
1. 背景
開発者はプログラミング経験のない非エンジニア。GPT-4以降の能力向上により日常的に軽量なスクリプトや単機能ツールをLLMに開発させることが増えた。2025年に入ってから日本語ノーコードでのアプリ開発が飛躍的に実用的になったっぽかったので、個人的に長年感じていた日常の不満を解消してみようと思い立った。
2. 解消したかった不満
日常生活・業務における手動でのカレンダー予定登録が、とにかく苦痛。
手動入力による操作の煩雑さ
共有される日程情報のフォーマットが不定なことによる解釈・正規化コストの重さ
特に海外イベントは外国語やタイムゾーンの扱いでさらに絶望的な辛さ
結果生じる誤登録のリスク
3. 解決策
2025年のLLM能力であれば非構造化テキストから日程情報を抽出し構造化データへ安定して変換できると判断。
4. 成果物
サービス名: 文章からカレンダー予定作成
URL: https://calmatic.taktechs.org
概要: 自然言語で記述された文章情報から、ボタン一発でカレンダーに登録できるリンクを作成するWebサービス。標準フォーマットのiCal形式とGoogleカレンダー形式に対応。
5. 開発環境およびプロセス
開発プロセス全体を通じて、人的な技術支援は受けず、開発者単独でLLM開発支援ツールおよびLLMとの対話のみで完結。
LLM開発支援ツール:
2025年4月~ Windsurf
2025年9月~ 追加開発はClaude Code
モデル:
2025年4月~ Windsurf経由のGPT-4.1
2025年9月~ 追加開発はClaude Opus/Sonnet 4
言語: Python
主要フレームワーク: Flask, OpenAI API
バージョン管理: Git, GitHub
デプロイ環境: Fly.io (Dockerコンテナ)
ネットワーク: Cloudflare (ドメイン管理, DNS設定)
開発手法:
アプリケーションのコード生成はLLMへの指示により実行
インフラ設定やエラー解決など、コーディング以外のアプリケーション公開に必要な情報は、ほぼすべてChatGPTのo3 w/Web検索で解決策を入手
9月の追加開発時はGPT-5 Thinking w/Web検索
LLMが意図しないコードを生成した場合は、正常に動作していたバージョンまで切り戻し、プロンプトを変更して再生成を試みる、という試行錯誤の繰り返し
由緒正しい雰囲気コーディング
6. 感想
採用技術の陳腐化の速さ
2025年4月開発当時の選定技術は、2025年9月現在ですでに最適とは言えない。9月の追加開発でClaude Codeに乗り換えたところずっと快適な開発体験になった。
今後について
当然のように、インフラ構築やデプロイのプロセスも今後さらに簡素化・非エンジニアフレンドリーになっていくでしょう。
個人が各人の課題を解決するためのツールを自ら開発・運用することが普通になっていくことは間違いない。
おわりに
この実体験が、「開発に縁がないと思い込んでいる非エンジニア」に伝わると幸い。