理想の自作キーボード Ergo Arrows Pro ビルドログ

マキムラ
·

どのくらい前だろうか、このキーボードを見つけたときは、G913以来の「理想のキーボード」が現れたと感じていた。発売を心待ちにしていたが、自作キーボードであること、そして値段に躊躇している間にあっさり売り切れてしまった。

2023年年末、再販が決定したときは、自作マクロパッドの経験も積み、ボーナスも割ともらえていたのでエイヤ!で買ってしまった。

それが、Ergo Arrows Pro。どんなキーボードなのかは、以下を参照してほしい。読むだけでワクワクしてくるキーボードだ。

私は、

  • 肩幅が広いので、分割出来たら嬉しい

  • もちろん無線がいい!

  • キーボードに矢印キーは必要

  • テンキーはない方がいい

  • 上部の数字キーは欲しい

と考えていたので、本当に欲しかったのだ。

購入物一覧

自作キーボードなので、「キットをポンと買えばOK」という訳にはいかない。以下で購入したものを紹介する。初めての作成の場合は、以下に追加して工具を買う必要がある。

ErgoArrowsProキット(白) 32,000円

キーボードキットの本体。箱からもうおしゃれ。内容物は以下。

重量感のあるアルミ削り出しケース。縦は約13センチ、横は一番長いところで15センチちょっと。厚さは2センチ弱。

基盤。封筒に入っている。キー部分はホットスワップ可能となっているのでスイッチを差し込むだけで良い。

Poronスポンジフォーム。キーボードの反響音を軽減。

ボトムプレート。キーボードの裏側の板になる。電池関連のはんだ付けを行うプレートでもある。

カバープレート。ボトムプレートの電池基盤部分を隠すためのプレート。

その他、ケーブル、ネジ、ゴム足、ジャック等が入っている。

ErgoArrowsPro (専用パームレスト(ウォルナット)) 9,000円

キーボードのパームレスト。一体型で、単4電池を裏に仕込むことでバッテリーを長持ちさせることも出来る。ボタン電池よりも単4電池のほうが取り回しがいいので、こちらも買うことにした。

電池部品セット・パームレスト単4電池基板セット 1,100円

電池部品セット

パームレスト単4電池基板セット

無線化には欠かせない、電源を確保するためのセット。左右分が必要なので、2個ずつ購入。パームレストの単4電池を使う場合でもボタン電池側のパーツを使うので注意。

Acid Caps ”Collection” seihakuji 10,000円

JISだなんだ、どのキーキャップが足りないとか考えたくなかったので、本体と同じ場所で売っているものから、一番ピンときたものを購入。スッとした文字と落ち着いた色合いが好み。

Feker Holy Panda - Factory Lubed 5,390円

今回、めちゃくちゃ悩んだのがキースイッチ。はっきり言って無限の選択肢だし、田舎暮らしではお店でのスイッチの確認なんて夢のまた夢。できることなら気になる種類を全部ちょっとずつ購入するして、試し打ちしてみるのがいいのだろうが、今回はErgo Arrows Proがキースイッチをスワップできるタイプということに甘えて、youtubeで聞いた打鍵音をもとに直感で購入。値段は35セットが2個分。まとめて買ったほうが安い。

Kailhロープロファイルスイッチ - 茶/MBK Choc Low-Profile Keycaps - 1U 1,780円

矢印キー部分は低いキースイッチ(Kailh Choc v1)が使われているので、別途購入。以前マクロパッドを買ったときにクリッキーなものを選択したが、やり過ぎ感があったのでタクタイルにした。キーキャップはseihakujiと合いそうな水色にする。10個づつ購入。

Pro MicroサイズのUSB対応nRF52マイコンボード 4,500円×2

キーボード無線化の要。キーボードの脳。bluetooth対応。無線化のことを考えなくてもいいならもっと安くなる(1,000円くらい)。左右分割なので2つ必要。

コンスルー 253円×4

基盤とマイコンをつなぐパーツ。これのめっちゃいいところは、ピンのところがバネになっていてはんだ付けしなくてもいいところ。間違って差し込んでも直せる。うっかりな私には神のようなアイテム。

-----

しめて、69,282円・・・!!!! いやー、計算すると躊躇しそうだったから勢いで買ったけど、こうしてみると流石にいい値段だ・・・。今年のボーナスが割りと良かったので踏み出せた。

そして、はんだ付けが終わった状態で送られてくるエントリーセット(51,000円、現在売切)はめちゃくちゃ安いな。制作者様のツイッターを見ているとてんてこまいだったようだし、もっと高くしてもいい商品だと思う。

今回購入しなかったもの

カバーケース

Ergo Arrows Proの裏に設置するアルミ削り出しのケース。打鍵音が変わるようだが、効果の程がわからないし、そもそも自分が打鍵音をどれくらい気にするかが分からなかったので今回は見送った。使ってみてから購入を検討することになると思う。

ビルド!

詳細なビルドガイドはすでに制作者様が用意してくれているので逐一の記録は残さないが、私がやっててハマりそうになった箇所を挙げておく。

コンスルーのピンが抜ける

基盤とマイコンをつなぐ役割のコンスルーだが、抜き差しが荒いと画像のようにピンが抜けてしまうことがある。落ち着いて、ピンセット等を使って元の穴に戻してあげれば問題ない。抜けているピンの上部のように、側面の穴からピンが見えていればOK。

ボトムプレートはリバーシブル

ボトムプレートには電池関連のはんだ付けを行うことになるが、このプレートは表裏が同じものが2枚入っている。そのため、左右とも同じ面にはんだ付けをしてしまうと面倒なことになる。画像のように線対称に置いてから開始するようにするといいだろう。表になる方にマークを付けておくのもいいかもしれない。

ダイオードの向きが見えにくい

上が左、下が右のボトムプレートのダイオードハンダ付け部分。多分電池関連のはんだ付けでここが一番苦労する箇所だと思う。このGPと書かれている文字は肉眼で確認するのはかなり難しい。ちゃんとライトが付くルーペで覗かないと見えない。はんだ付けするときは、[G]側にある直線とボトムプレート側の三角の先にある直線を合わせる。

スライドスイッチと電池ケースの向きは下!

スライドスイッチと電池ケースは以下のように、あとから操作したり入れ替えたりするので下向きになっていないといけない。

しかし、私はなんとなくで上向きにつけてしまった!!完成図をイメージした上ではんだ付けしないと失敗することを学ぶ。吸い取り線を使うことで、なんとか修正には成功した。

パームレスト電池基板もリバーシブル

パームレストに仕込める電池の基盤は表R裏Lが2枚入っている。間違って、2つともR側だけとか、2つともL側だけにハンダ付けしないように注意すること。

マイコンがコンスルーから抜ける

コンスルーははんだ付けする必要がないのがいいところだが、USBを抜き差ししているとコンスルーから抜けてしまうことがあるのが欠点。こうなると一旦バラさないとつけ直せないので対策をググったら、隙間風を塞ぐテープを使用している方がいたので、それを真似てみた。小さく切って、マイコンの上から押さえつけるように設置。どれくらい効果があるかは分からないが、これにしてからはまだ抜けていない。

ゴム足が割と剥がれる

ゴム足のグリップがかなり強いので、ちょっとスライドさせようとすると、ゴロっと剥げてしまうことがあった。これは使い方のところが大きいので、もうちょっと弱めのグリップのものと変えてもいいかもしれない。

bluetoothが繋がらない

完成して、早速スイッチをONにしても、bluetoothの新しい接続に1つしか表示されない・・・なぜ・・・?となったが、それが正しいようだ。勝手に「2台のマイコンを使っているから2つのキーボードが表示される」と思っていたが、そうではなかったようだ。2つのキーボードのスイッチをONにしてしばらく待っていれば接続できた。

キーマップについての検討

組み立てが終わって、キーマップを設定する。自作キーボードでは基本的にレイヤーの切り替えでキーボードにない文字も入力できるので、必然的にキーそのものが少なくなる。それに慣れること自体は必要だと思うが、会社のキーボードは変えることが出来ないので、できるだけ会社での配置と、家での配置を変更することなく入力できるようにしたい。

Ergo Arrows Proの基本キーマップとして、中央側の1列が反対側と重複することで、タイピングの癖を吸収できるようになっている。

ただ、このマップの場合、右手側の記号がレイヤーを使った入力しかできなくなってしまう。プログラムを書くときに配列[]やオブジェクト{}を書くときに職場と家で入力方法が違ってしまうのはあまり嬉しいことではない。

また、私は左利きということもあって、左手側が右手側のキーを入力してしまう事はあるが、逆はないということもあり、今回は右手側の重複分を抜いて右に詰め、その分記号を入力できるキーマップで始めることにした。右手側の初期位置が中央に寄るので、パームレストの座りがちょっと悪くなるのと、親指周りのキーが押しにくくなるのがデメリットだと思う。

バックスペースは親指側に持ってきたが、これはかなり便利になると思う。けど、しばらくは癖で右上を押してしまうだろう。慣れるまでは右上をバックスペースにしておくのもいいかもしれない。

これが最善ではないだろうし、折を見て修正してみる。

完成!

無事完成!!bluetooth関連で躓いたところもあったが、年末年始の時間があるときに作成したこともあって、問題なく作成することが出来た。せっかくacid capを使っているので右手内側のグラデーションキャップを使えていないのはもったいないないな、と感じている。

打鍵感はこんな感じ。

個人的にはもう少し静かでも良かったけど、これはこれで打っている感じがあって楽しい。腕を広げて打つことができるので、猫背にならないところも最高。でもカラムスタッガードであることもあって、まだ入力に慣れない。

パームレストも良くて、「数字のところに手がかかるかな?」と考えていたけど、パームレストがあれば問題なさそうだし、手首を置いている感じも楽だ。パームレストに対して、あんまり便利だと思ったことはなかったが、このパームレストは別物である。手がぴったり置ける感じ。

すごく楽しいキーボードになりそう。買ってよかった!

@kaedemakimura
変なところでこだわりが強く、恥ずかしさに振り回されている。