草の日記

伊藤はと
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春になって草を買った。

魔女になりたくてハーブを育てはじめるというと安直かもしれない。

でも、新居(まだエアコンがつかない)(入居前につくときいていたのに)の日当たりが抜群に良く(つまり、エアコンがないまま夏を迎えたら死ぬ)草……生やしてえな!!と思ったので、いろいろとハーブを育てることにしてみた。

花の咲く木も欲しかったので沈丁花も買った。

まあハーブなんて雑草だしほっといてもべろんべろんどおがる(津軽弁で勢いよく成長すること)だろうと思っていたのだが。

なんとバジルともあろうものが死にかけてしまう。

原因はどうやら寒さにあたったこと。わたしが暑がりすぎて窓を開けて冷たい風を浴びせてしまったので、暑さを好むバジルにはきつかったらしい。

とりあえず、冷たい風を直接浴びないよう、暑いときは隣の部屋の窓を開けることにした。

おかげさまでなんとか持ち直し、いまは他の耐寒性のあるハーブともどもすこぶる元気。

スペアミントがもりもり茂ってきたので、少し収穫してレモンハーブ水にした。

生き物の世話をする、というのは、自分のケアがむずかしい人間にとって訓練のひとつだ。

自分の世話もできないのに、動くいのちに責任はもてないけれど、植物ならまあ、なんとか。

手をかけて成長するさまをながめると、自分も捨てたもんじゃないんだなという希望になる。

いまは沈丁花の新芽の伸びがいまひとつなので、直射日光をガンガンに浴びせるべきか考えている。

半日陰でもよく育つ、とのことだったが、やっぱり日当たりがいいに越したことはないのかな。

出窓の耐荷重がちょっと心配だが、受け皿に水のなくなったタイミングで窓際に移してやろうかと思う。