不在

kaisla
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夢で行ったことのある街に、また行った。 アーケードつきの商店街。 通路はクリーム色のタイル張り。 通路の両脇に連なる商店の外壁は、タイルに比べるとやや濃い褐色寄りに統一されている。 どういう理由なのか知らないが、どの店の床も、通路よりも掘り下げられた位置にある。つまり、店の入り口から先、数段の階段なり、スロープなりをくだる造りになっているということだ。 街の中心は「はしもとデパート」。 アーケードの門というべき区画と最奥区画とを占めている。 前回この街に来たときは、デパートで陶器と靴をみた。 今回はシャッターが下りている。休業だろうか。それとも、潰れてしまったのだろうか。

アーケードは頑丈なレンガ積みの高架橋で支えられている。通路の中央を一直線に貫いて、背骨のようだ。 橋脚のむこう側に、盗難防止アラームを鳴らしっぱなしで暴走する車の気配がある。こちら側へ滑り込んでは来ないだろうな、突っ込まれてはたまらないな……と、できる限り店に近い側を、速足であるく。

TVにMちゃんがでている。 元はあのグループにいたのだと紹介されて、元気に朗らかに笑っている。 ああ、よかったなあ。戻ってきたんだなあ。

目が覚めた。 彼の不在を、ただそのこととして哀しむ。

@kaisla
砂漠の井戸を管理する魔女、になりたい一般人。 かや児とか圓子とかの外部メモリ。