合コン

kaisla
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ショッピングモールで合コン。男女横並びになって館内を歩く。

ひとり、やけに距離感の近い男がいる。 どうにもぞわぞわしてたまらない。帰りたい。 身を離してもついてくる。左斜め後ろから覗き込むように話しかけられるのが不快で不快でしかたない。帰りたい。 エレベーターに乗るフリをして、咄嗟に降りた。

鼻先で締まる扉。 駐車場へ駆け出す。早く帰らなきゃ。

車に乗り込んだけど、今度は出口がわからない。ぐるぐる回るばかりで、出口がない。暗い立体駐車場。トラスの向こうに見えるネオンばかりが明るい。 車を捨てる。 搬出入用の通路で、同僚のSに会う。 「ほら!」と手招きされてゆくと、虹が空から落ちて割れていた。 割れ口からそのエネルギーが放出されて、触るとぱちぱち爆ぜる。

再び館内。 地図を見るわたしを右斜め前から覗き込む『先生』は、紺色のローゲージのセーターにぼさぼさ頭で笑っている。

@kaisla
砂漠の井戸を管理する魔女、になりたい一般人。 かや児とか圓子とかの外部メモリ。