モバゲー版アイドルマスターSideM(通称エムマス、モバエム)のイベントに寄せた短歌を作りました!
完成してからふと思い立ったので、二次創作短歌ができるまでのざっくりとしたメイキングみたいなものを書いていきます。他の人が作った二次創作短歌メイキングも見てみたいですね……。
原作と作った短歌
原作
この短歌の原作はモバゲー版アイドルマスターSideM(通称エムマス、モバエム)のイベント「315AIRLINE LIVE!」です。
※このイベントのストーリーは下記リンク先の公式アーカイブから無料で読めます。
High×Jokerの秋山 隼人、冬美 旬と彩が空港をモチーフにしたライブを開催!パフォーマンスを研究するため、アイドルたちは空港を訪れる。
展望デッキにて行き交う飛行機を眺めながら話し込む隼人と旬。ふと何かを思い出した様子の隼人は、その瞳を一層輝かせある想いを語り出す。
( エムマスアーカイブ「315AIRLINE LIVE!」Prologueより抜粋)
このイベントには彩の皆さんも出演されていますが、今回はHigh×Jokerの旬と隼人に焦点を当てています。
作った短歌
追い越した季節は歌になっていく飛行機雲は残像のよう
まっすぐなこころの延長線上に進路を取ろう ついていくから
君の好きなロックスターがやってくる空路に指で描く青写真
飛行機の栞紐(スピン)をつい手で弄ぶ 君がくれたから嬉しかった
個人的・二次創作短歌を作る手順(ざっくり)
題材を決める(キャラクターとかエピソードとか)
題材から連想されるいい感じの単語やフレーズを書き出していく
2の単語やフレーズを合体させたり、発句や結句として使いたくなったフレーズにいい感じの言葉をくっつけてみる
2や3の過程で原作を読み返す
原作を呼び水に新しいアイデアを書き出す
作ろうとしている歌の歌意を固める
歌と原作に矛盾がないようにする
etc…
実際に短歌を作ったときのメモ
短歌を作るときは、いつもtatepadというiOSの縦書きエディタを使っています。
作歌時のメモを見返しての雑感
「本当のところは結局シンプルで君に倣って空を見上げた」は短歌単体としてはわりと悪くない気がしたのですが、発句がイベントのストーリーと噛み合っていないと感じた(キャラクターの感情の動きとして元々存在しないものを付け足してる感があった)ので没にしました
旬→隼人の呼称は「ハヤト」なので歌での二人称も「キミ」にするかどうか一瞬悩んだのですが、確認したら旬のソロ曲の歌詞での二人称表記が「君」だったので「君」にすることにしました
「遠くまで来たんだなって振り返る 僕を見つけてくれた日々のこと」はかなり気に入っているのですが、この連作の題材であるイベントよりも他のイベントを詠んだときの連作に入れるのが相応しいかなと思ったので今回は不採用としました(別の機会に持ち越し)
「君の背中を押したりできる」はぜひ結句として使いたかったのですが、歌意に沿いつつこの結句を活かせるフレーズが思いつかなかったので没にしました
できた短歌についての所感を一首ずつ(原作と照らし合わせての解題らしい要素はあまりない)
1首目
追い越した季節は歌になっていく飛行機雲は残像のよう
イベントのストーリーからの飛躍が大きい(が、High×Joker自体を詠んだ歌のつもりではある)ため入れるか迷った歌。でも、これを一首目に置いておくと連作全体のバランスが引き締まる気がしたので採用することにしました。
「追い越した季節は歌になっていく」はHigh×Jokerが好きな人なら歌意を読み取ってもらえるはず……!と思ったのですが、どうなんでしょう……。
2首目
まっすぐなこころの延長線上に進路を取ろう ついていくから
言葉の切れ目が575・77以外になってる歌が好きなので、自分でそういうものが作れると気持ちいいですね……。
ストーリーを読んで込めたくなった歌意を綺麗に形にできたかなと思うのでかなりお気に入りの歌です。この連作の中では一番大事な役目の歌かなと思います。
3首目
君の好きなロックスターがやってくる空路に指で描く青写真
発句のラフな感じがとても気に入っています。結句のいかにも「詩」!な雰囲気に対して綺麗にバランスが取れている気がしてお気に入りの歌です。
今回の連作の付記(でいいのか?)はイベント名と旬の名前のみですが、旬視点での「ロックスターが好きな君」といえば隼人!(おそらく)なので、二次創作短歌としてモチーフを間接的かつ明快に表すことができた気がしています。そこもお気に入りです。
結句の「空路に指で描く青写真」もお気に入りです。14音の中に意味をギュッと詰め込みつつも不自然にならず全体のバランスも美しく、何よりストーリーの内容をうまいこと詩として変換できた気がしています(熱い自画自賛)
4首目
飛行機の栞紐(スピン)をつい手で弄ぶ 君がくれたから嬉しかった
個人的問題作。かなり原作エピソードそのままな気がするので……。一次創作短歌として見た場合一番出来が良い(というか私好み)まであるのではと思うのですが、そう感じさせる要素(飛行機の栞紐)は原作まんまなので、これは原作のエピソード(旬に飛行機の栞紐が付いたブックカバーをプレゼントする隼人)が素晴らしすぎるおかげですね……。でもそういった原作の詩性に気づくこともできるので二次創作短歌は楽しい!
結句「君がくれたから嬉しかった」がかなり素朴なのは、私がそういう素朴な口語を使った短歌が好きなのでそれの真似みたいなものです(『日本の中でたのしく暮らす』とか、『うれしい近況』とか)。でもそれだけでなく、エピソード内の旬の感情を表すのにも素朴な言葉が良いかなと思ったので今回はこうしてみました。
余談ですが、スピン(栞紐)という単語は『バーナード嬢曰く。』で知りました。読んでて良かったド嬢。
以上です!他の人の二次創作短歌メイキングも見てみたいので良ければ見せてください(?)
それから、短歌の感想やこの記事の感想などあればぜひwavebox等で送っていただけると助かります!一言でも嬉しいです!
ここまで読んでくださりありがとうございました❣️それでは👋