前提としてメンタルは柔軟であり、強ければ良いと考えていますが、柔軟でなかったり、弱い状況があるとそういった人の状況もわかるようになるとは感じています(例えば風邪をひくと誰もがそういった状況に一時的にですがなるはずです)。エンジニアのメンタルに影響する成分として、大きく機械と向き合っていくしんどさと人間が出す利害対立があると考えていて、少なくとも前者への耐久性はエンジニアの業務を行う上で必須だと考えています。仕事を行う上で、情緒が安定であると言うことが大事だと感じているのは、予測できない機械の挙動や人からの反応があり、その度に傷つくと効率を損ねるからです。
さて、人の特性評価軸には良識性、知的好奇心など色々ありますが、情緒安定性に関しては、安定性 (すぐ落ち込んでもイライラしない)、回復力(一度落ち込んでも回復が早い)、配慮(気分がすぐれないときでも相手への態度へ示さない)の3要素を含む項目が挙げられています(MARCO POLOのアセスメントを参照)。これは、本人の日々のタスク処理などのパフォーマンスはもちろん、現場の雰囲気に関与して開発生産性を上下するような項目になるでしょう。
(参考: プロジェクトマネジメントの基本がこれ一冊でしっかり身につく本
情緒安定性が高い人はそのままキープするとして、現状低い人に対する対応策を考えてみましょう。技術を勉強したり経験して詳しくなると、機械が出す予測不能だった挙動がだんだん予測できるようになるし、できる業務範囲も広がって心に余裕が持てるようになるでしょう。一般的に、著者が考えるメンタルを安定させる方法はズバリ、出来るだけ安定な人と普段からつるむようにすること、これにつきます。心理学には集団感染という概念があり、周囲の影響を受けて思想や行動が移るので、安定した人が多いと安定した思想や行動が多くなるというのは言い過ぎではないでしょう。私が今まで不安定だと感じるような人の話を聞くと、以下のような例がありました(特定はしたくないので、全て架空の設定)。ネガティブな家庭で育ってきていて実家暮らしから抜けられていなかったり、日々ハードワークをおこなっているものの自分がわからない、メンテナンスがわからないなどの理由で自己管理ができていなかったり、いろいろあります。そういったときには、悪い環境を断ち切ることが大事で、日々のストレッサーへの対処はもちろん、もっと深いところになると無意識やトラウマといった見えない因子からくる悪い結果を取り除くために出来るだけ静かな環境で、自分のことを内省してみたり必要に応じて専門家へと相談するのも一手だと考えてます。エンジニアのメンタルが大事という話でした。