
最近作業を始めるとき、「集中」というアプリを使っている。簡単に言うと、シンプルに使えるポドモーロ・タイマーのようなアプリだ。
仕事でもプライベートでも、終わりの見えない中長期的な作業を抱えているとき、手が止まってしまうことが多かった。早く手をつけたほうが良いとわかっているのだが、終わるかどうか不安で不安でしょうがない。ついついニュースサイトを見て現実逃避してしまう。すると目が疲れてきて、仕方なく作業を始める。着手時点で疲れているので、作業効率が上がらず、すぐにまた休憩してしまう。
「集中」アプリを使うとこれが改善された。とにかく最初の10分だけ作業することに注力できる。正直、最初に選ぶ作業は何でも良い。自分はnotionのprivateページに分報をつけているので、まずはこれに取り掛かることにしている。分報にダラダラと愚痴を書いているうちに、何故かやる気が湧いてくる。するともう10分では作業を終われなくなる。こうなってしまえばこちらのものだ。
(子育てしている人が偉いというわけではなく、みなさんそれぞれ人生に苦労を感じておられるとは思うが、特に)小さい子供を育てていると、将来確保できる作業時間を全く読めなくなる。この予測可能な「将来」が本当に短い。昨日まで元気いっぱいだったのに今日急に熱を出すなんてザラだ。何なら半日のうちに体調を崩す。そうなると保育園には預けられなくなるし、自宅で看病するためのシフトを妻と組むことになる。すべての計画が一瞬で狂う。一人目が生まれて以来、それが日常となったので、自分はしばらく中長期的な作業はできないんだろうなあ、という諦めが強まっていた。細切れになった隙間時間を拾い集めれば、それなりの作業時間が確保できるにもかかわらず。
でも「集中」アプリを使うとそんな厄介なことは考えなくて良くなる。流石に将来10分後までは作業時間は確保できると信じられる。事実は別として、この「信じられる」ということが重要な気がする。突き詰めると極論を持ち出して自分を(いい意味で)騙せるかどうかという話だ。
最近嬉しかったことは、久しぶりに腰を据えて技術書や専門書を読めるようになったことだ。もちろん大学時代や独身時代は(学ぶモチベが高い時期は)それなりに技術書や専門書を読んでいたが、子供が生まれてからは、なかなか読む気になれなかった。数式の行間について考えているときに、保育園から電話がかかってくるかもしれないから、なかなか集中できない。それなら最初から読まないほうがマシだ、という逃げの思考になっていた。でも今は違う。10分でもいいので本を開けば、面白くてやめられなくなる。スラスラ理解できるかどうかは別の話だけど。
相変わらず子供はすぐ風邪をひくし、夜泣きはするし、独身の頃ほど作業時間は確保できない。明日も無事保育園に行ってくれるかもわからない。でもうまく自分を操縦することで、それなりのパフォーマンスが出せる、という事実がわかって嬉しい。
最後に断っておくが、子供はかわいい。とてもかわいい。