昨日から引き続き音の話をしたい。ワイトはここ半年ほど、寝床で必ず環境音を聞きながら眠る。初めは雨の音や水中の音などありきたりなものだったが、最近はYouTubeを漁り、より珍しい環境音を探している。お気に入りは「放課後の学校」、「潜水艦(ソナー音付き)」「高速道路を走る車」だ。特にヘビロテしてるのは「宇宙船の内部」だ。ゴゥンゴゥン…と機械の駆動音やホワイトノイズはもちろん、プシューッと自動ドアが開く音、金属製の床をカンカンと歩き回る足音、ロボットらしき話し声などが聴こえるおかげでとても臨場感のある音声となっている。目を瞑り、身体を縮こめて動かずに聴覚に集中すると、本当に宇宙船で仮眠をとっている気分になれる。普段のワイトは目を瞑ると1分以内に仮死状態に陥るのだが、余裕があるときは音を聴きながら妄想をする。ここは宇宙船、地球から飛び立ち、エネルギー資源の研究のために遠くの惑星を目指しているのだ。そしてワイトは宇宙船のクルーだ。艦内で他のクルーへの指示出しやデータの処理で忙しく働いていたのだが、先程19時間ぶりに仮眠室に入った。柔らかくて温かい布団に安堵を覚える。少し狭いが、この途方もない暗闇の中で安心して眠れるだけありがたいと思おう。しかしここの仮眠室は本当に壁が薄い。足音やあいつらの声が丸聞こえだ。ああ、今ロボットが部屋の前を通り過ぎたな。…さっさと眠ってしまおう。明日…この宇宙で日付がどれだけ意味を持つかわからないが…明日も忙しい。巨人たちの星にはまだ到着しないのだろうか?着いたら更に忙しくなるんだろうな…。そんなことを考えているうちに、いつの間にか眠りに落ちている。中々没入しているのだが、宇宙船の夢はまだ一度も見ていない。いつか宇宙旅行をする日を楽しみにしている。今日の日記はここで終わり。環境音の話はまだ言いたいことが沢山あるのでそのうち書くつもりだ。