2/28 集まれ同志たち

kamaemo
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脳が昼飯のローストビーフ丼に支配されている。めちゃくちゃうまいローストビーフ丼だった。昼飯に食べて12時間経過した今でもしっかりとあの味と触感が脳にこびりついている。何をしようとしてもあの柔らかいピンクの肉がチラついて何もできない。このままだと発狂しそうなので文章にして欲求を発散しようと思う。

そのローストビーフ丼はビジュアルがすごかった。肉が丼の上にこんもりと盛られていて、小高い丘が形成されている。おや?肉の盛り合わせを頼んだっけ?と思うくらいに盛られている。肉はピンク色に輝いていて、いかにも新鮮なのだと分かった。その肉の頂点に卵の黄身が鎮座している。肉の1/4くらいにタルタルソースがかかっている。米は見当たらない。おそらく肉の下にあると思うのだが、肉の壁が厚く、米に到達できない。話変わるけど肉の壁ってエロくね?それはそれとして米と肉を同時に口に入れたかったが仕方がない。まず表面の肉を一口箸でつまむ。でかい。一枚がでかい。どんぶりを半周ぐらいしている。肉をずるりと持ち上げる。タルタルソースをよく絡め、肉を口に入れる。柔らかい。噛まずに啜って飲むことができそうなくらい柔らかい。さっぱりとした肉の旨みが口の中に広がる。タルタルソースの甘さと酸味が肉の旨さを引き立てている。至福の一枚目を飲み込む。あまりのうまさに急いで箸をどんぶりへ。大きな肉を剥ぎ取ったにも関わらず、まだ米は見えない。肉を箸で上にずらして中を覗き込む。すると、丼にこんもりと盛られた米が見えた。米には醤油ベースのソースが染み込んでいるようだ。米と肉を合わせて口に運ぶ。濃い味付けの米だけでもうまいのに、肉と食べた瞬間「飛ぶぞ」という言葉が脳裏を巡った。うますぎる。そこに別料金で注文しておいたわさびをつけると一転、今度は和風な味わいに変わる。醤油ベースのソースとわさびが合わないわけない。タルタルソースをわさびをつけるかで、この丼は無限の可能性を得たのだ。しばらくの間、肉+米→肉+米+タルタルソース→肉+米+わさびの組み合わせを繰り返す。米と肉が半分になったところで、とっておきの黄身を割った。黄身が肉と米の上を流れ落ちて黄金色に染めていく。肉のピンクと混ざり、美しい光沢を放つ。これを一気に箸で掬い上げる。卵とソースで崩れ落ちそうになる米を肉と一緒に口で受け止める。上記のうまさに卵のまろやかさが交わり、最早意味がわからなくなる。こんなに贅沢をしていいのか、と恐ろしくなるくらいにうまい。猛然と食べ進める。最後の肉をわさびをつけて食べた。余った米は卵とタルタルソースが染み込んでいるため、余裕で完食した。空になったどんぶりを見てワイトが最初に思ったのは「もう一杯いこうかな」だった。

それから12時間。今だにワイトは「もう一杯」から抜け出せていない。むしろ時間が経過するほど欲求が強まっている気がする。食べられないと思うほど食べたくなってしまうのは人間の本能だ。文章に起こしたとてちっとも食欲は収まらないしむしろ細かいところまで思い出してしまい、逆効果だったようだ。苦しい。幸せを求めることは苦しいが、幸せを知ることも苦しいのだ。ワイトはたった1人でこの苦しみを抱き続けるのは、到底無理なことだと思っている。そこでこの日記を読んで少しでも興味を持ったみんな、明日はローストビーフ丼を食べよう。とびきりうまいやつを食べよう。そしてワイトと同じ苦しみを共有しよう。夜な夜なローストビーフ丼を求めて発狂しよう。それがどんなにうまかったか、どんなに食べたいか、どんなに気が狂ったかを一晩中語り合おう。ワイトと共に狂える同志になろうじゃないか!

@kamaemo
昨日日記