高校生に戻る夢を見た。気がつくと教室の中にいて、昔の制服を着ていて、クラスメイトたちがいて、当時の担任がいた。高一レベルの数学の授業を受けていた。解こうとしたけど結構忘れてて、他のクラスメイトに教えてもらった。いつもは教える立場だったのになー、とぼんやり思った。チャイムが鳴る。うちの学校はよその学校と比べ調子はずれな音を出す。そうそうこんな音だったな、と妙に感動した。HRの時間になって、生徒主導でなんかを話し合ってた。みんな高校生特有のテンションできゃいきゃい話し合ってて若いなあとなった。そんなこと思うあたり、自分はこの教室において異物であると再確認させられた。ワイトはみんなが喋ってるのを見ながら、「ワイト、高校からやり直しなんだな」と思った。漫画だとここから無双するのがよくある展開だけど、ワイトはあんまり嬉しくなかった。高校の時の友達と会えるのは嬉しかったけど、大学で会った友達はどこにもいなかった。7年かけて獲得した学位も無くなっていた。進路だって当然消えている。色んな経験を積んだ上で高校生からやり直せるっていうのは確かに良いことかもしれないけど、もう会えない友達や今まで必死こいて得たものが消えてなくなる方がよっぽどキツかった。別に自分の経歴が華々しいとは思ってない。むしろ後悔だらけの人生だ。それでも失いたくないと思えるものがあったことに全部失った夢の中で気がついた。戻りたいな、と思った時に目が覚めた。