◎Prologue
病院時代、医療安全委員会というものがあった。
医療事故は絶対にあってはいけないため、医療現場の安全を考えましょうという委員会だ。しかし現場でエラーをゼロにするのは限りなく不可能に近い。
なぜなら人間は間違える生き物だからだ。
医療業界では、現場でおきたエラーのことを
・アクシデント:エラーが実際におきて、患者に被害が出た
・インシデント:エラーが実際におきたが、患者に被害はでなかった
・ヒヤリハット:エラーが起きそうだった
の大きく3つにわける。
医療安全委員会で呪文のように唱える言葉がある。それは
「ハインリッヒの法則」というものだ。
具体的には、1件のアクシデントの背景には、29件のインシデントがあり、さらに、29件のインシデントの背景には、300件ものヒヤリ・ハット行為の存在があるということ。
さて、アシストでの私の動きはいくつの「インシデント」と「ヒヤリハット」があるのか。。。
◎巻き起こる旋風
今朝、先日の補装具支給制度の改定に対してみんなで話しあった。
私は制度のことほとんどわかっておらず、いつも困ったらアシストの方々に泣きついていたため、今回も「ほぇー」としか聞いてませんでした(一緒の空間に居た新元さん、尾崎さん、玄ちゃん。すみませんでした。。)
「座位保持装置が姿勢保持装置になったのって、何年も思い描いていたことなんやで!」とむらかみさんは言った。よくわからないけど、、これからLaboで本格的に始動しようとしている
「寝ると座るからはじまるU6の製品」が作りやすくなるのでは…!
私はむらかみさんと出会ってから、むらかみさんの周りはいつも旋風が起きている。ちっともわからないけど、むらかみさんの30年間をブワッと巻き上げる旋風がここ数年でとにかく起きているのかな。わからないけど。
◎思考が移り変わるということ
本日の表題にもある「思考が移り変わる」ということ。
むらかみさんは、ずっと考え続けているという。
昨日の記事を書いたあと、むらかみさんより
*
『失敗ではなく、試行錯誤をし続けるということ。 それは、一生続く。 この仕事を始めた当初、上川というたった一人のスタッフといつも言っていた「これでいいと思ったらこの仕事やめよう」と。
結局試行錯誤し続けて今がある。 そして、理屈ではなく、その試行錯誤の積み重ねだけが今の村上を形成している。
理屈や意味づけは後でいくらでもつけられる。
本当に必要なのは「もっともっとという試行錯誤の連続」自体を自分のサイクルの中で自然になるかどうか。
まずはジグソーパズルのピースを増やすだけ増やす!
何年も、何年も。
初めはなにをやっているのかさえわからない。
なににつながるのかさえわからない。
どこに向かっているのかさえもわからない。
わからないけど、我武者羅に目の前の事だけを観て、感じて、体現を繰り返す。
抱っこして抱っこして抱っこしまくる。
これしかないの。 近道も、知識から入ることもできないの。
淡々とその体現を積み重ねた先に、一つだけピースがバッチリハマる瞬間がある。
でも、次のピースは一生見つからないかもしれないという錯覚に陥るくらいはまらない。。。
そうして一つ一つゆっくりピースをハメ続けていると、10年先にバチバチハマる時が必ずやってくる。
そうしてハマり出した時が本当の本気の勝負!
これでできる! これでできた! と思わないこと。
バチバチハマると全てがわかった気になるが、それが1番の落とし穴。
本当の本質はその先にあり、そこからの道のりがまた遠い。
一つだけその本質に向かうための方向性を一言で言うと。
「なんでだろうを楽しめるかどうか」
そう
「試行錯誤自体を本気で楽しいと思ってワクワクして向き合えるかどうか」
なの。
だから、これでよし! なんて一生ないの。
「試行錯誤自体を本気で楽しいと思ってワクワクして向き合えるかどうか」
のサイクルを自分の中で作り上げられるかどうかが全て。
たぶん一年以内に知識なんてものに「そんなに価値」がないことを実感する瞬間が何度もやってくる。
役には立つけど知識自体にそんなに価値はない。』
*
とお言葉を頂いた。
むらかみさんはずっと考え続けている。
考え続けているから、より良いアイデアが産まれ、そちらにシフトする。
常に最善策を導き出しているのだ。
会議でこれを聞いたときものすごくアハ体験した。
私はむかし、
「あれがやりたい、来年はこうなりたいと移り変わるから、君との未来が見えない」 と大好きだった人に言われた過去がある。
本当に私は言ってることがコロコロ変わる。
こんな自分を悔やんだこともたくさんある。
でも自分が悪いと思ったことはなかった。
だって自分がそのときそうしたいとか、そのときそうなりたい自分に近づくためには何をしたらいいか考えた結果だもん。で?なに?みたいな。(おい)
むらかみさんとは違うかもしれないが、なんだかすごく自分を肯定してもらった気持ちになった。
私は浅はかながらもたくさん考えてきたんだ。常に最善の案を出そうとしていたんだ。。と。
◎明日もがんばろうね
"深く考える=次(三手先)を考えること"
この言葉を大事に頭にいれて、明日の相談会に挑もう!
私の道標は、こどもと家族の笑顔だ。