Prologue
ユニバーサル・スタジオジャパンの経営難を救ったマーケター、森岡毅さんが我が子に書いた「苦しかったときの話をしようか」という本が好きだ。
本題が始まる前に早速余談だが、私は自分が苦しいときに楽になる方法をたくさん持っている。こどもを見る引き出しは少ないのに、自分を守る引き出しはべらぼうに多いのだ。30年間自分という身を守ってきたから。
その一つの引き出しとして、自分が何か苦しいことが起きたときにまず
「自分よりも辛い思いをしてきた人」を想像する。
そして、その人の痛みや苦しみに比べたら自分の今感じている辛さなんて屁でもない、と思うようにしているのだ。
他者軽視における比較をしている、というよりも
「この人の辛いことにしたら自分のことなんて大したことない」
と思うようにしているのだ。
なので少しでも苦しくなったら、私以上に苦しい思いをしてきた人に思いを馳せる。
サービスを作るときに意識していること
こどもリハビリかめきちというブランドを2020年につくった。
たしかちょうどシュクレNEXTが販売された年だったろうか。
ちいぽけだけど、常に独自のサービスを作ってきた私は常に
「私が今作ろうとしているサービスは、誰の何のためのものか」を問うてる。
ここがブレると、自分だけがいいじゃん!とやったり、あとは一人の意見から突発的に商品化するのも妥当ではない。(アイデアとしていいケースもあるんだろうけど)
こんなことを考えながらこの「辛かったときの話をしようか」を読んでいると
マーケターのプロ、森岡毅さんが「ブランド・エクイティ・ピラミッド」について語る。これは自身のブランディングは
「誰に対して何をどのように」売り込んでいくか、ということを考え続けることが重要だという。

例えば、電動ドリルを購入する人は「電動ドリル」がほしいわけではなくて
「電動ドリルによって開けられるきれいな穴」を求めている。
もっというと電動ドリルによって会いた穴にネジをいれてしめることを目的としている。
この、「今の自分の仕事に対して」Who・What・Howのすべてを説明できる人が真のブランド力のある人間だという。
私の近くにいる最強のマーケター
森岡さんの話を聞いていると、このマーケティングの思考のさらなる上が
むらかみさんがやっていること・やってきたことなんだと思う。
保護者から泉のように湧き出てくる悩みに対して、ひとつひとつに考え、
最大公約数を集め、良いものを作り出す。これらすべては素人の私でもわかるとんでもない行程だ。
そんなむらかみさんの戦い続けた、「辛かったときの話」を想像しながら
私は今の現場に出ているんだな、と先日工房の歴史を聞いてふと思った。