ここ最近寒い。春のくせに。
「暖かいのが春なんじゃないの?職務怠慢じゃないの」
私が春にそんなことを言ったら、春は怒り心頭な様子で捲し立てた。
「わたしだって暖かい気分じゃない時だってあるんだよ!ほんと、そういうデリカシーないのやだ。嫌いだわ」
春にもいろいろな気分があるらしい。
「それに、春って短いんだよ。すぐ夏がきて、暑くなっちゃうの。毎年やってるんだから理解してるでしょ?暑くなったら、「あーちょっと涼しくなってくんないかな」って言うくせに、なんなの。ほんとムカつく」
「そんなつもりはなくて、ただ、暖かい君が好きだから」
「は?そういうのが本当嫌だって言ってるの。寒いわたしも愛してよ。それに」
「なに?」
「もうすぐさよならだよ」
春が短いことをいつも忘れてしまう。あともう少ししたら私は、「最近暑いね。もう夏だよ」なんて言っている。
春はお別れを言わずに、いつもいなくなってしまう。
「それだから少しくらいわたしのわがまま、許してよね」
「ごめん」
どんな春だって好きだよとは言えなかった。
残りわずかな春をたのしみたいと思う。
*
春雨好きじゃね〜〜〜!!!!
暖かい春しか愛せね〜〜〜!!!!
寝起きの思いつき創作。春ちゃん。