「また明日」
この言葉が好きだ。
明日会うことが約束されている関係。学校の友達や職場の人たち。もしかしたら恋人。
毎日顔を合わせる間柄でしか発生しない言葉。
私はこの言葉を思い出す時、やっぱり学生時代の友達を思い出す。
毎日のように元気に「また明日」と言ってお別れをした。明日会うことが約束されていたから。
時々、誰かと「また明日」って言いたくなる。バイバイするのが名残惜しくておしゃべりした時間。お別れの言葉を言ってからずっと手を振り続けた時間。
もう戻ることはない時間に思いを馳せる。
昔の友達に会いたい。複雑な思いを抱えないで、ただ純粋に会って話したい。ばかみたいなことを沢山話したい。でも、複雑になってしまった私たちが会えることはない。
「また明日」
頭の中で誰かの声が聞こえる。
それはきっと、もう会えなくなってしまったあの子の声だ。