猫が大好きだ。心の底から愛してる。猫との暮らしが何よりも大事だ。
猫と暮らしたのは29歳の時。2年と数カ月前。実家の愛犬がお世話になっているペットショップで見つけたブリティッシュショートヘアの姉弟。同じケースの中に入っていて、とても仲睦まじい様子だった。動悸がした。この世にこんなかわいい生きものがいるとは思えないほどに、かわいかった。
「飼いなよ」
猫がそんなに好きじゃないはずの母が言った。母にそんなことを言わせてしまうほどの衝撃だったのだ。
ペットショップで一目惚れだなんてと言う人もいると思う。でも私はその時、運命の存在に出会ったと思った。地上にこんなかわいい子猫ちゃんの姉弟がいるなんて、地球も捨てたもんじゃないと思った。私の人生に突然、猫が登場した瞬間だった。
この世のものとは思えないプリティさではあったが、即決するわけにはいかなかった。私が本当に猫を飼えるのか、猫とはどういう生き物なのかをちゃんと知る必要があった。猫たちの月齢と体調の問題で時間があったため、2週間毎日ペットショップに通って本当に飼えるのかを検討した。その間に10冊近い猫の本を読んだ。
いざ迎えた猫たちは、拍子抜けするほど手がかからなかった。頭がよく、穏やかでほとんどいたずらをしない。留守番もちゃんとできる。ずっと犬の世話をしている私からしたら「もっと、なんか、なんか、してくれ!」と思うほどにいい子たちだった。子猫の時と変わらない、いい子たちのまま2歳になった。
あの頃と違うことがあるとすれば、猫に対する私の気持ちが違う。猫に対して、愛が深くなった。子猫の頃もかわいかったが、今はもっともっとかわいい。
ぽにゃとるうは私にとって特別な存在で、猫のかわいさ、賢さ、優しさを教えてくれた。きっと彼らじゃなきゃ私は猫をここまで好きになっていなかったと思う。だから私の運命の出会いは、珍しく神に感謝してやってもいいくらいありがたいものだった。
ぽにゃとるうだから、お外出身だったしゅーを迎えることができた。ふたりと仲良くなりたいとしゅーが言ったのを見て、きっと大丈夫だと思った。実際にそうだったし、3匹との暮らしは幸せに満ちている。
猫がこんなにかわいいなんて知らなかったんだよ。こんなに、生きるのを楽にしてくれるなんて思わなかった。思い切って猫を飼った29歳の私、偉業だよ。私が生きていられるのも、生きていきたいと思うのも猫がいるから。人生の展開なんて何も読めなかったけど、猫がいなかったら病気に負けて死んじゃってたよ。
猫がこんなにかわいいなんて知らなかった。私といてくれて、ありがとう。君たちのおかげで息がちゃんと吸えるようになった。