プログラムされた身体

kamone
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眠くてしょうがない。食欲は爆発的。これは月のものが近い証拠だ。

私たち人間は文化的な生き物とされているのに、古から現代にいたるまで月経に肉体と精神をコントロールされている。望む望まないにかかわらず、動物としての生殖機能に翻弄されている。

女性として生まれたのだから受け入れるしかない。子宮内膜が剥がれ落ち、無駄に流れる血液。身体は私のことどう思ってるんだろう。無益なセックスしてないで、有益なセックスして妊娠しろって思うのかな。『はたらく細胞』を思い出す。ごめんな。妊娠はきっと遠いよ。もしかしたらその機会もないかも。

私は気分障害の薬を飲んでるから気分に関しては月経の影響をあまり受けていない。これは思いもしなかった副産物だ。別に感謝はしないけれど。気分安定薬を服用する前の20代前半の頃は、PMS(月経前症候群)がひどかった。イライラして泣けてきて苦しくて辛くてたまらなかった。凶暴で獣みたいだった。

ただ女に生まれただけなのに。メンタルが不安定になるのは苦しいよね。それに月に何日間も耐えられないような激痛に苦しまなければいけない。悲しくなるけれど、動物的には理にかなったプログラムなのだろう。人間はどこまでいっても動物なんだ。

不完全な体と女として生まれた責任。「要らないです」って返却したいけど、そんなことは許されない。

そんなことを月に一度ぼーっと考える。

「女性は大変ですね」と他人事の男性の姿が見える。あなたですよ。私は男性の肩を持ちたいわけではないけれど、男性が持つ暴力的な性欲もまた動物としてプログラムされた哀れな欲求だと思っている。互角かもしれないよ。どうかな。人によっては乱れることなく理性的な男性もいるから、その人にかんしては動物的なプログラムに勝利してるかもしれないね。

どちらも不都合なものを抱えて生きていこうね。

生まれた理由は動物的なものでも、生きる理由くらいは文化的でありたい。定められた器で、何も決められてない未来を生きていきたい。

@kamone
猫と犬を愛し、雑文を書き散らかす。病める時も健やかなる時もハイアンドロー。ここは思考の赤ちゃん置き場。noteも書いてる。note.com/_kamokamone