一人で映画を観に行くということは、私にとってただの娯楽ではない。この何年間で私が失ってしまったことを取り戻す作業だ。一人で歩くこと、電車に乗ること、ぶらぶらすること、映画を観ること……元気でなければ到底できないことだ。
鬱がひどくなると無気力になり、自分が何が好きだったのかわからなくなる。長い間、自分が何が好きなのかもわからなくなっていた。人が吐き出す情熱的な「好き」を聞いては(見ては)、私には何にもないよと思っていた。みんなみんな煩くて大嫌いだと思ってた。それでも元々自分が好きだったものから目を逸らすことはできなくて、みんな好きなものがあって、語ることができていいな、羨ましいなと思っていた。
私にも好きなものがたくさんあったはずなのに、どうしてなんだろう。この葛藤は、簡単に言えば鬱に飲み込まれていただけだった。時間はかかったが、じょじょにじょじょに、自分の好きなものを思い出し、情熱的なことを言えるまで回復した。すばらしいね?!
冬の間、人の視線も耐えられないし、動悸がおさまらなくてずっと電車が苦しかったが、今日久しぶりに大丈夫だった。大進歩!
『落下の解剖学』観てくるね^^