17歳の誕生日は最悪だった。
前日に食べたカツカレーを早朝に嘔吐して、気持ち悪いなか学校に行った。短縮授業。夏休み前でみんなが浮き足立っていた。私はグロッキー。なぜか仲のいい女友達は冷たくて。
唯一仲のいい男友達Sだけが優しくて、駅まで20分以上歩くのがキツい私を途中の駅まで自転車で送ってくれた。セブンでマンゴージュースを買ってくれたのを覚えてる。
家に帰るとポメラニアンの愛犬が心配そうに顔を覗き込んでくれてうれしかった。一番優しいのはあの子だった。その10日後、彼女は急死した。
牛乳をいれすぎたようなミルクティーのふわふわ。ずっと撫でられると思ってたのにな。さよならの言えないさよならなんて知りたくなかった。
夏に胸が痛むのは17歳のあの日からずっとだ。