気づくこと

kamop
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近所を散歩していたら、視線で絵を描けるシステムを使って身体を動かせない子どもが描いた絵が展示されていた。

凄い仕組みだなと思ってしばらく見ていたら

ふと後ろに人の気配があって、その人も見たいかしらと少しだけ移動した。

後ろに来た人は私と同じようにしばらく説明を読んで、絵を見ていた。まだ若い女性なのだけれど、暑くなってきた4月末に黒いダウンを羽織っていた。背中の真ん中より少し下に白っぽい何かがついていて、手にしたサブバッグもひどく汚れてしまっていた。

ゴールデンと名のつく休日に、そのような出で立ちでひとりで佇んでいる彼女を見て、何となく声をかけた方が良いのではという感じがしたけれども何も言えずにその場を立ち去った。 その人は自分も困っているかもしれないけれど、身体の動かない子どもの生活や活動に一時足を止める人なんだなとも思った。

道を聞かれたり、手を貸してほしいと言われたらできるけど、こんなふうな気づき方のとき、自分はどうしたいのだろう。手助け出来たらと思うのは奢りかなとか、色々な思いもわいてきて答えもない。

どうかせめて暖かく清潔な場所でほっとできるひとときがありますように。