Braid, Anniversary Edition感想

kana
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時間に関するギミックが独特のパズルゲーム。一つ一つのギミックはシンプルだけど、何かしら気付きが無ければ全くもって解けそうにないパズルが沢山。最近出たリマスター版で漸くプレイしてみたのだけど、昔から微かに聞いていた評判にも納得の内容だった。

主軸となるギミックは「時間の巻き戻し」で、これが実に滑らかに巻き戻せてびっくり。これがターン制パズルゲームならまだしも、Braidはパズルプラットフォーマーとしての側面が強いゲームなので、一体どうやって実装しているのか不思議。

本編は5 + 1ワールドの構成。最初の5ワールドのそれぞれに12個のピースが点在していて、それを全部(=60個)回収して絵を完成させきると最後のワールドに挑戦できるようになる作り。

概ね1ピース1問に相当するので、全部で60問+αになる。

殆ど問題は1画面に収まるコンパクトさな一方、パッと見では解法がさっぱり分からない問題が多数あるので、見た目や数の割に密度は濃い目。

また、各問題は実質的に任意の順番で挑戦できるので、暫く考えて答えが分からなかったら一旦飛ばして次の問題に挑めるのも良いところ。

これらの要素が噛み合って「全部解いてやろう」という気持ちにさせてくれる。

ワールド毎に新たなギミックが登場し、どれもこれまでにない発想を求めてくるので、最後まで飽きずに遊べた。

例えば序盤だと以下の通り:

  • ワールド2は「普通のプラットフォーマーなら意地悪過ぎて嫌われそうなレベルデザイン」が多いのだけど、これは「時間の巻き戻しギミックで幾らでも任意のタイミングでリトライできるから実は簡単」というチュートリアルになっている

  • ワールド3は「時間操作の影響を受けない」オブジェクトが登場する。今まで巻き戻せたものが巻き戻せなくなるので、慣れるまで大分混乱する

概ねワールドが進む毎に難易度が上がるのだけど、個人的にはワールド5の影のギミックが一番難しかった。

ところどころパロディが仕込まれているのも良き。

(しかしこの恐竜(?)は一体何だったんだ……?)

Anniversary Editionで追加されたCommentary modeには専用のマップ(=ワールド7)が用意されており、そこにもパズルが仕込まれている。

本編だとワールド毎の絵は12ピース構成だったけど、ワールド7は全16ピースと若干多め。更に「ピースのある部屋が何処か探すところから始まる」「ピースのある部屋のドアを見つけても、そこに辿り着く方法そのものがパズルになっている」という捻りが入っているので、実質的には16+α問相当。

本題のピースを取るには本編以上に頭を捻る必要があることが多かった印象。何なら本編では使わなかったテクニックを要求されることもあった。

約8時間で本編もワールド7も含めて全てのパズルを解いた。他に無い独特のギミック、コンパクトだけど歯応えがある問題の数々、最後まで頑張る気になれる分量と、総合的な体験としてはかなり良かった。

強いて難点を挙げるとすればストーリーの見せ方かな。ストーリーの提示は殆どが道中の本によるテキストのみで、そこはちょっと味気なく感じた。

@kana1
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