https://store.steampowered.com/app/1057090/Ori_and_the_Will_of_the_Wisps/
前作の後に続けてプレイした。自分の中での文脈については前作の感想を参照。
結論としては、前作と比較すると「ゲームとしては今作の方が面白いが、演出や世界観的には引っかかるところが目立つ」というのが感想になる。
前作と比較して良いと感じたところは以下の通り:
映像は前作と比べて遥かに綺麗だしHDRにもできる(逆にデフォルトでHDRになってたのが環境によってはトラップになりそう。実際自分はこのせいで最初の30分は過剰に暗い映像でプレイしてしまっていた)
演出や曲については文句無し。両面で前作を彷彿とさせるものがあった(調べて見ると曲についての解説が幾つか見つかる。プレイ中に無意識に感じていたことが言語化されていて面白い)
ストーリー的には前作を彷彿とさせつつも対照的な面もあり、更には前作でサラッと流されていた設定がちゃんと回収されて決着が付いて良かった(が、これはこれで更なる続編を作り辛いのではという気も……)
前作と違ってオプショナルなスキルは「買う」形で、買う順番は任意に決められるし買ったスキルを更にアップグレードすることもできる。選択の自由度があるという点では前作より良い
更にSpirit Shards (装備するとパッシブスキルが得られる。Hollow Knightで言えばCharmに相当)が増えていた。スキルの方と合わせて選択の自由が更に増えている
ゲーム全体の進行は「或るところまでは実質リニア」「その後は自由」と明確に段階が区切られていて、前作よりもちゃんとメトロイドヴァニアしてる感が得られる
一方でゲーム的には細かいところで微妙に感じる部分もあった:
アクティブスキルはX/Y/Bボタンに割り当てる事で使える(これには通常攻撃相当のものまで含まれる)。オプショナルなアクティブスキルは何種類もあるけど、1個を除いて全てEnergyを消費するから使い所を考える必要がある上に、そもそもボタンの枠を奪い合ってしまう。なのでオプショナルなアクティブスキルを買う意味は殆ど無い(例外は特定の壁を壊せるスキルだけ)
Spirit Shardsのスロットが思ったより増える。自主的に制限しないと強化しまくりで簡単にゴリ押しできてしまう(これは一長一短。アクションが苦手な場合はこのくらい補強できないと辛いこともあるだろうし)
上記以上に明確に引っ掛かりを覚えたのは言葉の使い方。これはプレイしていてずっと気になって仕方がなかった。
前作は上位の存在らしき精霊しか言葉を使わなかった。今作はそこいらの動物までもが普通に言葉を使う。Kwolokが喋るのは、あれは半分くらい上位の存在と言えなくもないからまあ喋ってもおかしくないだろうと納得できるのだけど、Mokiまで喋るのはちょっとなぁ……
今作でもところどころ前作の主要なNPCが出てくるけど、それは引き続き言葉を一切使わないので、余計に言葉の使い方の変化が浮き彫りになっている。結果としてプレイして本当に同じ世界なのかと思ってしまうくらい違和感があった。
前作よりも様々な面で良かっただけに、どうしても言葉の使い方の差が気になってしまった。ゲーム単品としては十分面白かっただけに惜しいと感じてしまう。逆に、これは背景世界設定オタク特有の感想なので、そういう細かい事を気にしないのであれば何ら問題なく楽しめるタイトルではある。