Rain Worldは良いぞ

kana
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Rain World、めちゃくちゃ楽しいので皆んなやってほしい。

様々な点で他とは一線を画する存在で、このゲームでしか得られない体験が色々と有ります。ゲーム史上名作10本を選べと言われたら、自分は迷いなくRain Worldを選ぶくらいには楽しいです。

楽しいところ

謎のゲート。開いたり開かなかったりする。

どんな雰囲気かは上記のトレーラーで大体分かりますが、これを的確に表現しているのが開発者へのインタビュー記事に出てくる以下の比喩です:

The idea is something Jakobsson refers to as 'the rat in Manhattan.' It's a metaphor that guided the world and visual design of Rain World and refers to being a wild animal in an artificial or constructed environment. "A rat that lives on the subway tracks has an idea of what the subway station is," Jakobsson says, "in the sense that it knows that the train is dangerous, and the Cheetos on the track are tasty, and this particular little drainage pipe where it's living is a safe spot to scurry away to when the train is arriving." The point is that the rat knows how the subway works and how to live there, but doesn't know what it's for. "It doesn't understand the political, economical, and social reasons why humans have built the subway station, it's just way beyond it," Jakobsson says.

実際にゲームを始めると、正にこの比喩通りの感覚を得られます。過去の文明が作った建物が廃墟となっていて、その中でどう生き抜くか試行錯誤して理解していくことになります。そうして生活を続けていくうちに、廃墟の中に謎の機構を見つけ、それが今も稼働していることに気付き、やがてそれをどう利用できるかが分かり──

Rain Worldでは開始直後の最小限のチュートリアル以外に親切なヒントは一切ありません。世界がどうなっているのか、そこで生き抜く為にはどうすれば良いのか、自力で考えていく必要があります。これは難しくもありますが、乗り越えた時の達成感も大きいです。突然の閃きで窮地から抜け出せた瞬間の何と気持ちの良いことか。そしてその閃きで得た知恵で以後のサバイバルがグッと楽になったりします。

また、廃墟にせよ謎の機構にせよゲーム内世界においてちゃんとした理由があって建造されたものなので、そういう事を考察するのも楽しいです。

一方で、この世界は弱肉強食でもあります。プレイヤー = Slugcatは食物連鎖の中では下から数えた方が早い存在です。真正面から戦ってもまず勝ち目はありません。捕食者の強みや習性を把握して、如何に相手を出し抜くか……知恵で勝負して生き抜く必要があります。

ただし、これは「敵の行動パターンを覚えて的確に対処すればよい」というものではありません。Rain Worldが独特なのは、それぞれの生物がそれぞれの意志で活動しているところにあります。普通のゲームなら「或るステージの特定のポイントに特定の敵が配置されている」ものですが、Rain Worldではそういう敵も腹を満たそうと狩りの為にあちこち放浪するし、自分より上位の捕食者の姿を目にしたら逃走します。

結果としてこのゲームに「デザインされた(そして攻略法の有る)難所」というのは存在しません。むしろ「ゲーム内世界においてその時々で起きる状況」を如何に対処するかが問われます。

実際にゲームをやると分かるのですが、アニメーションが凄いです。固定のパターンではなく、状況に応じて演算された結果が表示されています。先述の「それぞれの生物がそれぞれの意志で活動している」ことを合わせると、ゲーム内で一つのエコシステムが息づいているのが感じられます。

厳しいところ

Rain Worldは楽しいか楽しくないか人によって評価が綺麗に分かれるタイプのゲームです。大体は先述の長所の裏返しになります。

  • 親切なヒントは全くありません。それらしき情報は何かしらゲーム内で提示されていますが、それに気付けないと簡単に行き詰まります

  • あらゆる生物が自身の意志で活動しているので、結果としてランダム性が強いです。行きたいところに簡単に行けない状況や詰みになる状況も乱数次第では起きます

  • アニメーションが凄いんですが、気持ち悪い敵のアニメーションも凄いです。虫が苦手な人は卒倒すると思います

遊びたくなったら

色んなプラットフォームでプレイできますが、Steam版をお勧めします。コンソール版はバグが多いのでお勧めしません。特にSwitch版は避けてください(未だにDLCリリース後のバグ修正が来てない。そうでなくとも部分的にラグくなり易い)。

攻略情報は見ないでプレイするのをお勧めします。自力で発見・気付きを意図してデザインされてる部分が多いので、最初から攻略情報を見てしまうとかなり興が削がれます。

最初から選べるSlugcatはMonkかSurvivorで、どちらかをクリアするとHunterが選べるようになります。最初はMonkで遊ぶのをお勧めします。

2023年頭にDLC (Downpour)がリリースされて更に選べるSlugcatの種類が増えました。が、これらはどれも相応に高難易度です。Monk→Survivorとクリアして、このゲームを楽しめるようになってから買うのをお勧めします(実際、DLCで追加された新種はMonkかSurvivorでクリアしてからでないと遊べません)。

@kana1
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