Vernal Edge感想

kana
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https://store.steampowered.com/app/1546710/Vernal_Edge/

良い感じのドット絵のメトロイドヴァニア。11時間半くらいでクリア。幾つか気になるところはあったものの、自分としては期待通り探索を楽しめて良かった。

Kicksterterでbackしたゲームの一つ。諸事情あってリワードとして貰えたのがSteam版のキーだったので長らくプレイできずにいた。Steam Deck購入を機に遊べるようになったので漸く消化できた。

メインパートのドット絵は綺麗。アニメーションも良い感じ。会話パートのポートレートはクオリティがまばらな感じがしなくもないけど、分量としては少なめなのであまり気にならない。

戦闘パートはちゃんと敵の攻撃パターンを読んで対処できれば何とでもなる。ダッシュで避ける以外にブロックして受け流す選択肢もあり、攻撃パターンによってはブロック必須だったりする。自分はダッシュが便利で多用していたので一部のボス戦は苦労した。

あちこち探索すれば戦闘に関するスキルや強化(ゲーム中の呼び名だと “Memory”)がどんどん手に入る。Memory毎に装備コストが決まっており、手に入れたものを全部は装備できないようになっている。序盤は或る程度取捨選択せざるを得ないのだけど、探索をちゃんとしていけば装備可能コストの上限は気前良く上がるので、中盤過ぎには実質無制限に近い状態になる。

ストーリー的にもゲーム的にもキーになる “Unreality” に関する演出やデザインは秀逸でお気に入り。カセット半挿しで背景タイルにグリッチが起きたレトロゲームのような見た目だったり、明らかに異なる領域のものが不規則に混在していたりする。背景世界設定的にちゃんと意味があってこういう見た目なのがとても良い。

ゲームを進めていくと移動に関するアクションがどんどん手に入り、それを駆使して進むプラットフォーマー成分強めなパートもある。難易度高めのところはオプショナルなアップグレードが用意されているおまけエリアだと思われるので、難し過ぎればスキップしても問題無い。

各種アクションを上手いこと組み合わせればショートカットできる or 想定アクション抜きで到達できる場所がちょいちょい用意されていそうなのも特徴的。

Slime's Summitはその最たるもので、このエリアはPulse Flightを入手してから訪れるのが通常解になっている。Pulse Flight無しではそもそもこのエリアの入口に辿り着くこと自体が困難。が、ジャンプ→斜め上ダッシュ→ダッシュ中に上ジャンプ→空中上溜め攻撃(ここまでの組み合わせで高度を最大限に稼げる)→空中横通常攻撃連打(これで対空時間を延ばしながら横移動距離を稼げる)→壁蹴り→……と各種アクションを組み合わせれば入口に到達できるようにはなっていたし、その先のサイドクエストもPulse Flight無しでクリア可能になっていた。「Summit」なんて名前を付けているくらいだし、精密プラットフォーマーとして楽しめるよう意図して作られていると思う(が、無駄にハードモードになるのでお勧めはしない)。

色々と気の向くまま探索して強化を積み重ねて先に進む……という意味では十分にメトロイドヴァニアしてて楽しめた。

ただプレイしていて気になるところもあった:

  • 意図的なのか何なのかBGM無しのパートが多め。エリアや状況によっては演出の一環と感じられるのだけど、不自然にBGMが無いことの方が多かった印象。

  • ストーリーの見せ方が弱い。例えば回想シーン的なものは一切無い。Vernalの生い立ちや行動の動機も細かい説明が無いままゲームが進み、後に出てくる悪役っぽいやつのセリフで突然「え、そんな重要なものを持っていたの?」となるようなことが明かされたりする。

そういうところに目を瞑れば、概ね期待通りのゲームだった。

@kana1
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