唐突に悲しみに暮れる。真冬のあかぎれみたいに、ちょっとの身じろぎでもぴりりと裂けて、嘆きの発作がやってくる。けらけら笑っているときにも、急に嗚咽が飛び出すことがある。動いたから裂けたのだ。
銅像のこどもたちみたいになりたいと思うことがある。楽しげに駆け回り、笑い合い、てのひらを天に掲げて、ぴったり止まっている。なぜか全裸で。楽しい瞬間に止まってしまえたこどもたち。
心を動揺させずに生きることはひどく難しい。「揺れ動くから喜びもまた大きい」と自分を励ます言葉が空虚だ。大きな悲しみなんかないほうがいい。当たり前。
すっかり壊れたなあと思うが、今でも人と談笑することができる。壊れたままで冗談も言う。楽しい気持ちを味わうことができる。でもやっぱり壊れている。ひび割れからぽろぽろと何かこぼしている気がするが、それが何かはわからない。
わたしはずっと壊れたままで暮らすのでしょうか。なんかむなしいね。