ねどこの風景(一)

わたしのねどこを紹介します。これは、ヒト研究というテーマから外れてしまっているのではないか、あるいは、ちょっと研究というには俗っぽいはなしだぞ、などと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、わたしは現在ヒトとおなじフォーマットを用いてねどこを形成しているので(というか、そうではない仕方でねどこを作りあげることは、わたしの調査対象エリアにおいてはむずかしいのです)、これもまたヒト研究のひとつの有効な視角になるだろうと考えています。ヒトのはなしに馴染みのない方もいらっしゃるでしょうから、ねどこのような、とっつきやすいところから入っていきましょう。

ですが、わたしのねどこへとたどりつくまでに、やや大きい話から始めなければなりません。すこしだけ失礼します。

わたしがフィールドワークしているエリアやその周辺では、ヒトはたいてい部屋と呼ばれる閉じた空間のなかでいろいろな活動や休息をおこないます。壁や窓がその空間を(たいていは四角く)区切っています。

あたかも、密閉されなければ一切のはなしが始まらないかのようにです。このエリアでは部屋の外はたいていとてもうるさくて(車や電車などたくさんのものが行き交っています)、また、ヒトの密集地域であるためいろんなものからちょっと距離を広くとってひと息つく、というのもできないので、これは仕方ないともいえますが、やはり特殊な事態だと思います。(つづく)

@kanikujiraebi
ヒト研究のかんたんに読める記事をあげています。それはたまに日記にもなります。