休日。木曜日。洗濯2回。午前中、ガス警報器交換作業あり。5年にいちどらしいが、5年もここに住んでいるのかと思う。実家を出て18年、ひとところにこんなに長く住んだのははじめてだ。よほど住み心地がいいんだろう。しかし改めて今年もあと45日ほどしかないことに気づいて愕然とした。
『真夜中の相棒』第1章を読み終わる。もうここまででいいか、あとは破滅だけっぽいし…という気持ちになっていったん止める。ベトナム戦争帰りのおとこふたりのなんともいえない関係。世話を焼いてやっている無頼でやくざな元上官マック41歳(司令塔・ギャンブル依存)とベビーフェイスでautisticなところのある子どもみたいなジョニー33歳(殺しの実行犯・腕はいい)の奇妙な共同生活。ジョニーはマックと一緒にいられたらそれでよいみたいな無頓着さがあるんだけど、どちらかというとマックのほうがへんに執着していて、ジョニーがほかの(ゲイっぽい)男に無防備に肌をさらしていたりするとヤキモキしたり、女性と同衾しながらジョニーの言葉を脳内で反芻したりしていて(WTF)、べつにふたりはまったくホモエロティックな関係ではないのだが、なんというかBL愛好家がにやついてしまう要素が多い。BLの枠にとどめずとも、互いにクィアではないと明言しつつも離れられないふたりの名状しがたい関係はそそるものがある。
アップル『バッド・モンキー』観終わった。まあ面白くないこともない。老子みたいな、あるがままとか、執着を手放すとか、そういう自然な生きかたみたいなものが一つのテーマにあるんだろうなという感じで、これといった完璧な終着点が用意されているわけではなく、それぞれの、それなりの、ある経過がある、というような終わり方はまあ、ハリウッドのご都合主義的な結末に反している感じもして、嫌いではない。あと、因果応報、というのもテーマなんでしょうね。まいた種を刈り取る、というか。グレーな小悪党はコトが公にならない限りは野放しで、そこは善悪の判断からは除外されているのだが、一方で明らかな悪事(意図した殺人など)を働いたものにはそれ相応の天罰が下る、というような。フロリダという土地はけっこう自然が多くて、海が近くて、超自然的な現象や考え方もすんなりと受け入れられるんだろうか、わからないが。バハマも近くて、あ、でもバハマの魔女的な存在にはちょっと西洋のまなざすエキゾチシズムを感じたが、まあでも超自然的なものは好きなので、興味深くはあった。
夜、家人は遅くなるため、生協のチンジャオロース2人前をつくってひとりで食べた。ご飯少な目にしたらいけた。おいしいですね。しっかり風呂につかって、三木那由他『言葉の道具箱』読了。はあ、すばらしいエッセイ。ちょっとした日常の会話ややり取りから広がっていく哲学的思索。三木さんの文章は読みやすいのに、読み終わると世の中の見え方、捉え方が少しだけ違って見える。一番難しいことをさらっとやってのけている気がする。あったかくて、包み込むような(つまりインクルーシブということか)文章で、ずっと読んでいたくなる。何回か胸がつまりそうになりながら読んだ。こういう書き手のかたがいま阪大にいるということ、うれしいなあと思う。ちゅひちょるさんといい、阪大も捨てたものではない。『〈公正〉を乗りこなす』も出てきたけど、まだ読めてないんだよな……年内に読めるかな。