努力すれば確実に報われます、は嘘である。
「報われる」の定義をどうするかで少し話は変わってくるが、どんな定義にせよ「最後は確率」という事実は揺るがないだろう。
例え話をする。
ビー玉を転がして1m先のゴールゲートを通過できるかどうか、という遊びがあるとして(イメージしな……)
まず初めに、その遊び自体をそもそも「やらない」という選択をした場合、ビー玉がゲートを通過する確率は0%。ついでに、おれも悲しい。ここまではわかるだろう。
では話を進めるために、その遊びを「やる」とする(おれも嬉しい)。ゲートの幅にもよるが、ビー玉がそこを通過する確率は50%程度と仮定しよう。これも、なんとなくイメージが付くと思う。
次。時間をかけてビー玉を転がす練習をして、なんとかゲートを通過する確率を70%まで引き上げたとする。
さて、ここて共通するのは、なにをどうやったところで成功確率は絶対に「100%にはならない」ということだ。数年かけて練習しようが、何らかのまぎれが起こってゲートを通過しないという可能性が、どうあがいても残ってしまう。
このあたりで何の話をしているかピンと来る人も居るかもしれない。
何らかの活動をして「成功」というものを目指した場合、いくら努力しても達成確率は100%にはならない。
社会的成功の秘訣を記した本を書くような偉〜い先生であっても、結局最後にクジ引きをして成功を引き当てている、というのは共通している。本人は決して「運良くクジが当たりました」などとは書かないが……。
では、確実に成功が訪れるわけでもないのに、何故努力をするのだろうか。その答えは明確で「成功確率を0.1%でも増やすため」である。
分の悪い賭けを、より、分の良い賭けに変えていくというのが努力の目的だ。
しかし、例えば年月をかけてお金もかけてスキルを得たのに、競争率が高いなどで成功確率が5%だったりした場合。ちょっと……これは、割に合わない気がする。では、どうすれば良いのだろうか。
説明のために、一旦話を変える。
世の無料スマホゲームのガチャの最高レア排出率というものは(急に何の話?)、だいたい0.02%〜5%くらいが相場だ。1回あたりの確率があまりに低いので、プレイヤー達は「10連チケット」なんかを買って勝負に出る。ピックアップイベントが開催されていれば、多少はお目当てが当たる確率が増す。
まさしく今回の話は、ここ、ガチャの10連チケットに繋がる。
日々の研鑽を経て、少しでも「成功」の確率を上げたなら、あとはもう「試行回数を重ねる」しか無いわけだ。5%のガチャを単発で当てるのは厳しくても、10連ならちょっと希望が見えてきやしないか? それが20連なら?
オーディションの通過、コンペの選出、持ち込みの採用、SNSのバズといったような各種の成功は、試行回数を重ねるほどにその確率が増していく。その一方、やらなければ確実に0%だ。
現在取り組んでいることがなかなかうまくいかないなと思ったのなら、自分が「何度それにチャレンジしたのか」を数えてみると良い。
もしかすると、確率2%そこらのガチャを、一撃で当てようとしているかもしれないからだ。