己のV8に火を入れろ

カオルさん
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創作をするにあたってその原動力は様々であると思うが、自分の場合は、内面から湧き出る何かを表現せねばたまらない、といったような感覚は恐らくない。パッと思いつくところだと、絵や文を見せて喜ぶ人がいるのでやっている、というのと、上達そのものが楽しいからやっている、という部分がある。

「上達」に関しては、イラストを初めてからようやくその手段というものを掴みかけてきていて、守破離の考え方や反復練習、停滞期に入ってからの上達速度との付き合い方など、これらはイラストだけでなく色々なことに役立っている。

思えば部活であったりゲームであったり、がむしゃらにやって結局さほど上達しなかったことなどは沢山あった。むしろ、モノになったことなんか無かった気もする。その理由も、今でははっきりと分かる。手段が伴っていなかったのだ。

で、何故イラストに限ってはそこへ気付くに至ったのか。かつては気付くに至らなかったのか。いろんな理由があると思うが、結局は自分にとってイラストが一番、性に合っていた、好きだったからというのが大きい気がする。

Youtubeなどで情報収集をしやすくなったというのもあるし、SNSなどで反応をもらいやすくなったというのもあるけれど、いくら環境が恵まれていようとも、好きでなければ学習意欲など湧くはずもない。今までやってきたことのなかで、イラストが一番好きだったんだろう。

では何故、自分はイラストがとくべつ好きであったのか? 少し考えてみたが、恐らくこれは自身のものの考え方の癖が影響しているように感じる。

というのも、これはもう抗えない衝動であるのだが、とにかく人と違う発想をしたい、しよう、という欲求が強い。普通なら「そうだね」の一言で終わるところ、いちいち逆の立場で一旦考えてみたりだとか、着地点を微妙にずらしたりだとか、そうした、幼少期から染み付いた癖のようなものがある。これには利点も、その逆もあり、逆張り一辺倒にならないようバランスを取るのが大変だったが、それはまた別の記事で……。

ともかく、そうした考え方はそっくりそのまま美的感覚にも結びついていて、人と違った美感を持とうとするということは、自ら創作せねば、いつかは満足できなくなるということだ。……アレッ、あるのかな? 己の内側から湧き出る創作の衝動というものが?

そうなのかもしれない。

何かを見たとき「な~んだ、そんなのまったくくだらない、おれならこう考えるね……」という、生意気な子供のような考え方が根底にあって、その考え方に説得力を持たせるためには、自ら何かを作るしかない。

そうして出来上がったものを人に見せ、喜ばれた時、自分の発想にも価値があったのだと実感する、ということ?

なかなか危うい話にも感じるが、忖度なしで自分を批評するとこういうことになる。どうにも雲行きが怪しくなってきましたね……。

外的な評価を自信の柱としていると、いずれ満足出来なくなり自滅するというのは、よく知られたことだ。だからSNSや仕事などの数字を心の支えにするのは危険で、あくまで自分で、自身を評価してやるのが良いとされる。いいねは貰えなかったけど、昨日の自分よりはうまくなってるぞ、とか、そういう考え方だ。

それでも自分の場合、あくまでモチベーションの柱は他人が喜ぶところ、自身の感覚が認められたと感じるところにあり、それを補強する支柱として、上達の楽しみがあるのかもしれない。

結構、いいバランスなんじゃないか? ということにしておく。

@kaoru_san
思考の整理との深堀り用。推敲なるべくしたくないので誤字もそのまま!