kaede
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母親に散歩へ行かないかと誘われたので、承諾し、よく行く神社へと向かった。その神社は少し前から猫達が住み着くようになっていて、わたしが神社を訪れると、よく日向ぼっこをしながら毛繕いなんかをしているのを見かける。賽銭箱に小銭を入れ参拝しようとしたところ、傍にキジトラ猫がいることに気が付き声を掛けるとこれがまたよく鳴く人懐こい猫で、短く鳴きながらわたしの足元に頭や胴体を擦り付けてきた。なんとも猫とはかくも可愛らしいものなのか。しばらくそのキジトラ猫が擦り寄ってきたり地面に寝転がってぐねぐねと動く様を眺めていた。家に帰りあの猫の短い鳴き声や地面に寝転がってぐねぐねと動く行動は何を意味していたのかを調べると、短い「キャッ」といった鳴き声は嬉しい気持ちを表現していて、社交的な猫に多い鳴き方らしい。そして地面に体を擦り付けるようにぐねぐねと動くのは、状況から判断して、避妊手術をしていない雌猫であれば発情しているか、甘えている、もしくは単純に背中が痒かったのか、どれかになる。わたしの希望としては甘えたくてそうしたということにして欲しい。

ぐね。

ぐね。

ぺろり。

ちろり。

ふう。

むくり。

太陽の光を全身で感じ取って気持ちよさそうに目を細める仕草が、本当に可愛らしい猫だった。