これまであんまりミステリを読んでこなかったこと(森博嗣は好んで読んできたが)を反省して、ここしばらく、移動中の読書はミステリ小説にしています。とりあえずM・W・クレイブンの〈ワシントン・ポー〉シリーズを読んでましたが、邦訳既刊は読み終わってしまったので、何度も名前には行き会っていた綾辻行人、というか〈館〉シリーズへと取り掛かることにしました。
以下は、綾辻行人 著『十角館の殺人〈新装改訂版〉』を読んでの雑感想です。ネタバレ有るような気もします。
エラリイ、カー、ルルウ、ポウ、アガサ、オルツィ、ヴァン。このなかで知ってるのはポーとアガサ、エラリーくらいだなあ。ポーは詩集を眺めた程度で、エラリーは良く名前は聞くけど未読、アガサ・クリスティも同じく。まだ読んだことのないものが色々あるのは幸福なことだけど、どこから取り掛かればいいのか、まったくわからん。
大学生たちのキャラクターが、これらの作家とその作品にどれくらい似ているのかはよくわからない。けれど、エラリイはめちゃくちゃ絵になりそうだ。袖を通さずに上着を羽織ってるのいい。常にそうしていなさい。髪は金髪っぽくてもいいな。トランプを使って戦いそう。カーは最近で言うと『ARMORED CORE VI』のイグアスみたいな感じでイメージしていた。「調子に乗るなよ……!」とかいいそう、ほんとに言ってたかも。あとオルツィも絵になりそうだ。かわいいそうでかわいい感じになりそう。
「孤島での連続殺人」で初めて読んだのは、西尾維新『クビキリサイクル』なのだけど、もちろんこの作品も先行作品の上に成立しているんだろうから、『十角館』を読み終えた後に読み返してみるのもいいかもしれない。
犯人当てに関しては、明かされるまで私にはよくわからなかった。孤島とはいいつつも、孤立した状況とは言い切れないことが示されていたので、「後でなんか条件が出てきてしぼれるのかなぁ」などと思ってるうちにおわちゃったという感じ。まあ、ミステリぢからが足りてないせいでしょうね。しかし、島と本土のあいだのトリックにはびっくり。おまえ体力すげぇな、と思いました。
『十角館』が映像化するという噂を聞いたんですが、これどうやるんでしょうかね? 原作に忠実にやるのはだいぶ厳しそうな気もしますが……。