定期的に見返す動画というのが幾つかあって、そのうちの一つがyoutubeの「クシノテラス」という美術紹介チャンネルの「清掃員画家ガタロ」だ。
ガタロさんの作品も、佇まいも、言葉を選んで話す様子も、捻り出すよう出てくる一つひとつの言葉も、その間のとり方さえ味わいが深くて、何度見てもその都度に考えさせられるものがある。
上の動画でガタロさんに魅せられたなら、下の動画もぜひ見てみて欲しい。
3年前にupされた動画で、まだ5000再生に届いていないのは余りにも勿体ないと思ってご紹介。
インタビュワーの櫛野展正さんの話の引き出し方が秀逸。このインタビューに至るまでにものすごく太い信頼関係をガタロさんと築いたことがわかる。だからこその応答は見ごたえがある。19分頃からの問答が真骨頂だと思う。
「怒りとかはまだあるんですか」
「ここ2年ばかり、雑巾だけしか書いてないの。」
「そうすると、いろんな妄想が湧いてくる。あいつがこう言いやがったとか。ほいでね、基本的に雑巾描いとると悲しゅうなるん。」
「それがよう分からん、なんで悲しいなるんかね」
「どうしようもないことってのが、誰にもあると思う」
「そこを生きてきたんじゃろうね、ワシはね」
「解決できないことに対してグジャグジャ言うやつに対してはワシは、抵抗してるわけ、疑問があるわけよ」
「自らを1分1秒も疑わなかった連中が大概言うんですよ」