自分と違う考えに触れたときに、考えを伝えるまえに怒りを先行させたり、見切りをつけたり、人格を否定したり。コミュニケーションが一瞬で破綻してしまうのは、意見を言いあう風潮がないからか、謙虚に生きるのが美徳とされる世の中で本音を殺して生活しているからか、矜持を保ちたいからか、自他を一本の縦の線に置いて捉えているからか、わかりあえない人がいることを思い知らされてきたからか、人と向き合う時代が終わったからか。「絶対的な悪」がそこにあるわけじゃないのに、いつも争っている。見かけた火種を燃えあがらせるのがうまくなりすぎている。
不寛容社会。人が簡単に傷つけられることのない、もっと寛容な社会になっていってほしい。