うっかりファンぶらを家族の前で熱く語ってしまったら、「トップガンマーヴェリック」を観ろ!と、勧められてしまいました。いや、トムクルも実写の戦闘機も興味ないし、そもそもファンぶら語りながら、オブラートに包んで神栗を語ってただけなんだよ。私は!(それが問題だろ)
まあ、しかし神栗の肥やしになるかもと(最低)とりあえずしぶしぶ観始めたら、あらビックリ。え、面白いやん!と、最後までワクワクしながら観てしまったのですよ。
なんといっても実際の戦闘機アクションがめちゃくちゃカッコよくて、おおお!!神栗もこんな風に飛んでいたのか?!と、ファンぶらの描写にさらにリアリティが加味されました。ちなみに以前にも勧められて流し見したけど、その時はまったく琴線に触れなかったんですよね。トムクル相変わらず元気やな、くらいの感想しかなかった。
つまり私は、「ファントム無頼」という漫画作品にハマったからこそ「トップガン」というスカイアクション映画の魅力に気づくことが出来たと言えるわけですね。
これって凄いことじゃないですか?!
そしてここから「トップガン」という映画を通して、「ファントム無頼」という漫画が、いかに凄いのか、ということを独断と偏見をもって語らせて頂きます。
トップガンとファントム無頼の類似性
そもそも「トップガンマーヴェリック」の戦闘機アクション観ながら、え、これファンぶらやん??と、何度思ったことか。(ちなみに私に戦闘機アクションの詳細な描写や解説は期待しないで下さい)(無理)
ファンぶらの見どころの一つに、神さん操縦するところのファントムの無茶な飛行アクションがあるわけですね。で、マーヴェリックが操縦する戦闘機のアクションがことごとく、「神さんやん…」と、なりませんでした?なりませんでした??わたしはなった!
ちなみ私は先に「マーヴェリック」観てしまったのでそもそも最初の作品である「トップガン1」の詳しい内容をこの段階では知りませんでした。1に関しては公開当時、やたらあちこちで主題歌が流れていたことと、トムクルのグラサン姿は団長と比べるとひよっこだわ、くらいのイメージです。(※団長…西部警察の渡哲也様)
で、話が前後して申し訳ないのですが、マーヴェリックを観たあといろいろググっていたら、「トップガン1」ではマーヴェリックがいきがって、戦闘機を管制塔スレスレにぶっち切るシーンがあるらしいと知りました。
それ、神さんが漫画一話目でやってるやん!
その後ネトフリで「トップガン1」を視聴できることを知り、早速観たんですが、マーヴェリックの吹き替えがひどすぎて、途中で字幕に変えましたよ。誰だキャスティングした奴!!急下降でGをくらえ!!
閑話休題。確かにありました。管制塔ぶっち切りシーン。ほぼまんま。
だからそれ、神さんが以下略!!
その他にも似たような無茶飛行シーンが多く、ここまで似てると、両作品がさらに元になるような別作品の影響を受けてこうなったのか。はたまた史村先生や新谷先生が、「トップガン」スタッフと、無限に広がる宇宙空間で知らず知らずのうちに交信していたのか?と、勘ぐりたくなります(なりません)まあ、古今東西パイロットが問題児ってのは、結構オーソドックスな設定なのかもしれませんが(そうか?)
あ、でも、そもそも「トップガン1」は、いつの作品なんだろ?と、「トップガン1」の方がファンぶらより先の作品なら、こんだけヒットしたハリウッド映画なんだから多少影響を受けてても仕方ないのか。と、それぞれの制作年を調べました。
ファンぶらの方が先やん!!!!!!!!!
「ファントム無頼」連載開始は1978年で連載終了は1984年。「トップガン」の日本公開は1986年。(Wikipedia参照)本国アメリカ公開はそれより先だったとしても、ファンぶらの方がはるかに先なんですよ。
え、これって凄くない???!!!(2回目)
「トップガン」制作スタッフどう考えても、ファンぶら読んでるでしょ!!いやマジで。トニー・スコット監督ファンぶらのファンでしょ!(洒落ではない)
なぜ語っている同志がいないんだ!(´;ω;`)
こ、これは当時も両作品の関連性がかなり話題になったのでは?!「トップガン1」公開時はまだインターネットが普及していない時代なので、雑誌くらいでしか情報見られなかったと思うけど、絶対語っていた人いるよね?!と、私は勝手に興奮しました。
そしてマーヴェリック公開時はすでに21世紀!絶対熱く語った評論ネットのあちこちにあるでしょ!!と、めちゃくちゃ張り切って検索したのですが……。
ない!(泣)
いえ、個人ブログやnoteで語っている方はいたんです。しかし、いわゆるライター系や映画or漫画評論家の方の語りは皆無。両作品の関連性や類似性、そこから見られる両作品のスカイアクションとしての共通した魅力、を、語っている文章が非常に読みたかったのですが……。
ない!!(泣)(2回目)
なんだろう……。ハリウッド映画だから比較しても野暮とか思われたのか。マーヴェリック公開時、ファンぶらは連載終了してすでに40年近くも経っているわけだから、今更比較して語ったところで、ということなのか。まあ、戦闘機漫画の金字塔といえども、昭和の漫画であるファンぶらを現代の世代は圧倒的に知らないもんな……。
でもマーヴェリック自体ヒットに結びついたのは、かつて戦闘機やパイロットのストーリーに心ときめかせた50、60世代が挙って映画館に足を運んだからでは?!と。つまりファンぶらの魅力も知っている世代が多かったわけでしょ??と。なら双方の魅力を語ってる同志がいてもよくない?!(泣)
トップガンが凄いからこそファントム無頼の凄さもわかる!
話がそれてきたので、戻します。
漫画と映画を比較するな!と、言われればそれまでかもしれません。両者は媒体として3次元の映像と紙に描かれた2次元の画(え)という明確な違いがあります。
そして、わたしはファンぶらが先だったんだからこっちが上でしょ!とか、いやいや後とか先とか以前に、ハリウッド映画の方がどう考えたってスケール半端ないでしょ、とか、単純な二元論で両作品を語りたいわけではないです。たとえ類似性が高かろうと両作品は別物。それぞれの面白さがあるのですから。
で、先に結論を言ってしまうと、これでもかと実際の戦闘機を使って、最先端の映像技術を駆使してハイレベルスカイアクションの面白さを余すことなく表現した映画が「トップガン」シリーズなわけです。
ここから声を大にして叫ぶ!!
一方、当時は漫画のデジタル技術もなく、ただただ紙の上にペンを走らせ、ベタと集中線とフリーハンドを駆使して描かれたのが漫画の「ファントム無頼」です。
しかしその戦闘機のアクション描写は、まさに紙からファントムが飛び出さんばかりの圧倒的な迫力!!!そう、それは当時のトップクラスのハリウッド映画の描写にも引けを取らない!遜色ない!!
これを言いたいんですよ!!!!!!!
しかもさらに驚愕は、検索すればすぐに戦闘機の映像が見られるような現代と違い、戦闘機の資料や映像が劇的に少なかったであろう時代に、それが描かれたという事実です。
これがどれほど凄いことか、私の貧弱な語彙では語り切れないのですが、そこには作者の脳内イメージを具現化する相当な技術がなければ不可能、というくらいの想像はつきます。脳内で戦闘機が動き回ってるイメージを読者に見せるために漫画という手法に落とし込みシーン化する。ハリウッド映画の撮影技術にも引けを取らない迫力あるその描写は、まさに新谷先生の腕だからこそできたのかと、感嘆します。
わたしはトップガンを観ながら、ファントム無頼のその点にめちゃくちゃめちゃくちゃ感動したんですね。いやぁ、漫画って本当にすごいですね!
ファントム無頼は一応リアタイで読んでた派です。正直若いころは戦闘機シーンはすっ飛ばして、キャラクターの魅力やホームドラマ的展開のストーリーの方を楽しんでいました。で、再読して今は神栗コンビにまあ、そのやられたので……ゴニョゴニョ……な感じのところに「トップガン」をぶち込まれて、ファンぶらの漫画としての凄さに気づかされたわけです。
ファントムをあそこまで描写されるから、日々の神さん栗さんコンビの日常が浮き立つし、いざという時の命のやり取りに、グッとくる。そしてそれは「トップガン」でも同じ
「ファントム無頼」にハマったことで、「トップガン」のスカイアクションの面白さに気づき、「トップガン」の映像から「ファントム無頼」の戦闘機シーンの凄さに気づく。
映画と漫画の違いはあれどそれぞれを見ることでそれぞれの魅力が倍加する。今回はそんな貴重で面白い体験が出来ました。
では、神さん、栗さんが「トップガン」を二人で観たら映画館でた途端、お互い顔を見合わせ「「お前死ぬなよ」」と、ぜひハモってくれることを期待して。
終