見てる人向けなので細かい前置きはすっとばす。
ネタバレあります。
いやー、3話、向き合っているテーマがよかった。
3話では「勝ちへのこだわり」と「楽しさ」が取り扱われる。
「あの人は初心者だから、勝ちにこだわりすぎず、まずは楽しく部活を続けられれば良いんじゃない?」
などの様々な立場の意見に久美子が部長としてどう向き合うかが3話の展開。
久美子の対応には見習うべきポイントが多い。
部活を休んでしまった1年生に会いに行くかを会話する場面で「行くよ」と即答する。
「一日休んだくらいで、そんなに大袈裟にしなくて良いんじゃない?」
「もし部活を辞めてもそれくらい普通じゃない?」
という声もあったが、それでもすぐに会いに行く。
組織全体をみる立場の人が何か問題が起きた時に対応時間をあけるのは本当に良いことが何一つない。
当人(今回なら休んだ1年生)が気持ちの整理をする時間をとるなと言いたいわけではない。あくまでも組織全体の文化に責任を持つ人間の話だ。
時間をあけると、はじめは小さいと思っていた問題はどんどん大きくなる。そしてまずは行動しないと相手のことも何も分からないものだ。
何よりも、有事の際の対応を周囲はよく見ていて、何も動かなかったら "何も動かなかった" 行動をとった人という認識になる。
それが意図的な選択であればよいのだが、ただ逃げるのは良いことがないし、逃げはいつの間にか組織文化になる。
会いに行った後の対応も素晴らしい。
複数人で会いに行ったが、休んだ本人(サリーちゃん)に一対一で話せないかを提案している。
一対一で話す冒頭には
「ここで話したことは誰にも言わない」
「悩んでることを何でも話して欲しい」
という前置きからはじめる。場をつくる発言ができるのも素晴らしいし、この言葉が意味をなすのは日頃の久美子の行動あってのことだろう。
サリーちゃんは、出遅れた周囲の1年生に対する自身が行ったフォローに対し、
「自分が良かれと思ってとった行動が良くなかったのではないか…」
と話し始め、次第に泣き出してしまう。
久美子はしばらくじっと聞いていたが、その後、力強く
「ありがとう、サリーちゃんのおかげで1年生、まだ誰も1人も辞めてないよ」
とサリーちゃんの行動への感謝を言葉で伝える。
サリーちゃんは
「でも、自分がやったことが良いこととは…」
と引き続き悩みを打ち明ける。
それに対し久美子は自分も同じように悩んでいたことを話すが、ただ共感するだけではなく部長としての想いをあわせて伝えていく。
最後には
「どれか一つ正解を見つけるのは難しい。部長はみんなの気持ちをまとめるためにいる。だから全部私のところに持ってきて。」
と明るく投げかける。
サリーちゃんの気持ちは復活し、翌朝は誰よりもはやく自主練をしている…といった具合だ。
私のような小物からすると、組織のトップが全部自分のところに持ってきて、というのは諸刃の剣に感じてしまい、なかなか言えないセリフだなと思う。自分への依存度を高めることは避けたいと無意識に考えてしまうからだ。
ただ久美子の発言を聞いて、「この人は自分のような人間の悩みも含めて、背負う覚悟があるんだな」と伝わる効力は、そのデメリットを上回るような力があるのではないかと感じた。
結果的にサリーちゃんの「久美子先輩が部長でよかったです」という発言にもつながっている。
響け! ユーフォニアムに登場する、過去の部長とメンバーとの関係性を思い返すと、久美子だからこそ生まれたコミュニケーションに思えた。
そして釜屋(妹)の果たした役割も大きい。1年生が部活動をボイコットするかもしれない可能性を事前に察知し、久美子に危機感を伝えていた。久美子もその警告もあってか逃げずに対話の場に向き合っている。
話の終盤で、久美子は釜屋(妹)の存在に対して「人は見かけによらないな」という感想をつぶやいているが、きっと肯定的なコメントなんだろう。
僕はこういう警告のようなコメントをくれる人への向き合い方が昔は苦手だった。
なんというか、そこまで気づいてるんだったら何かやってよ!同じ組織にいるんでしょ!という想いが先行してしまい、素直に相手のフィードバックを受け止められないことがあった。
ある時からは、対話をできる状態にあるのであれば、まずは率直に話してみるか!と考えられるようになったのだけど。
ということで、長々と書いちゃったけど『響け! ユーフォニアム』はいいぞ。