いきなり主語デカいなって思われるかもだけれど、我々人間という生き物は無意識に、物事を勝手に仕分けてしまう癖がある、ように思う。
ネガティブなこと、ポジティブなこと、ハッピーなこと、アンハッピーなこと、うんぬんかんぬん。
ポンポンとお構いなしに仕分けては、「それは大変だったね、辛かったね」「あれは嬉しかったよね、幸せものだよね」なーんて声をかける。
果たして。
それは本当にそうだったんだろうか。
思い返せばいつだって、誰かが「それはアンハッピーでしょ」と仕分けたものは、必ずしも私自身にとってもその通りであるとは限らなかった。逆も然り。
私の、そして誰かの、喜びや悲しみ、幸せや不幸せ、それらの感情は自分だけのもの。勝手に名前をつけて区分しなくたっていいよな。そうすることで安心したかっただけかな、と気づく。
「君はあまのじゃくだよね」と、かつて投げつけられた不躾な言葉を反芻しながら、いやいや君はなにも分かっちゃいなかったよ、私のこと。私もだけどね。と今さら軽口を叩いてみる。もし今、目の前にタイムマシンがあったとしても、もうあの頃に戻って言い返してやろうとか一切、思わないけど。